新潟県三条市・三条商工会議所(兼古耕一会頭)の創立80周年記念講演会が25日開かれ、講師の辛坊治郎さん(65)はロシアのウクライナ侵攻の理由は「プーチンの中にある恐怖心と領土欲」で、根源的なもので損得ではないので「こうなると止められない」という見方を示した。
辛坊さんはギリシャの故事「ダモクレスの剣」を引用。王をうらやむ家臣を王座に座らせると頭の上に馬の毛1本でつるされた剣に気づくというもので、王には常に危険が迫っているという意味だ。
北朝鮮の金正恩氏もその典型とし、「権力の頂点に立てば勝つほど怖くて怖くてたまらなくなる。だから、先に仕掛けて自分を狙いそうなところはひとつずつ潰していく。そういう恐怖感にかられている」、「経済問題じゃないから、なかなかそういうのは効かない」と分析した。
辛坊さんは新型コロナウイルスの状況が自身が推測した通りに進行していることや子宮頸がんワクチンが副作用が誇大に報道されたこと、自動車運転免許の返納しない方がいいことなどについて話した。
そのなかで「世の中で当たり前に思われてることは本当に当たり前なのか、その意識はどこかにもっておかないと」、「ものを判断しようと思ったとき、判断のもとにする情報はすぐ手に入る。公開された情報から真実が手に入る」、「夢は持ち続ければ必ずかなう。あきらめたらときに終わる」などさまざまな状況に当てはまる言葉も伝えた。
最後は、挑戦に失敗した小型ヨットでの太平洋無寄港横断について話した。沈みかけたヨットから救命いかだに乗り、航空自衛隊に救出されるまで「奇跡の連鎖」が続いてまさに九死に一生を得た体験を話すと、約380人の来場者は手に汗を握るような緊張感で聞き入っていた。