新潟県三条市内すべての中学校8校と義務教育学校1校の中学生の卒業式が1日、そろって行われ、合わせて801人がそれぞれの学びやを巣立った。卒業生は1年生の終わりからコロナ禍の影響を受けて不自由な学校生活を強いられ、新潟県にまん延防止等重点措置が適用されているなかで卒業式も感染防止対策を徹底して行われた。
来賓として滝沢亮三条市長が出席した三条市立第二中学校(佐藤勝志校長・生徒305人)では体育館で卒業式を行い、305人が巣立った。卒業生の保護者は参列したが、在校生は体育館に参列せずに教室でリモートで卒業式の映像を見学。卒業生の席を間隔を空けて並べ、国歌と校歌は歌わずに聴くだけにとどめた。
登壇した胸にコサージュを着けた卒業生一人ひとりに佐藤校長から卒業証書を手渡した。佐藤校長は式辞で、コロナ禍で新しい生活様式での学校生活を送った卒業生に「皆さんはそこでくじけず、限られた状況のなかで何ができ、どのようにすべきかを真剣に考え、それを生み出してきた」とほめ、その姿を後輩に示したことに感謝した。
これからの社会を生きるための人間性を育むには、日本の9人組ガールズグループ「NiziU」をプロデュースしたJ.Y.Parkさんがデビュー前のメンバーに求めた「真実」、「誠実」、「謙虚」の3つが必要で、「これからさまざまな経験を通して一人ひとりの人間性を磨いて自分だけでなく、周りの人も幸せになれる、周囲の人にもいい影響を与えられることのできる人となるよう新たな社会をつくりあげてください」と活躍を期待した。
滝沢市長は祝辞で、「この状況は残念だけどもうちょっと続くと思う。その間に次のステップに進むため、羽ばたくためのエネルギーをためてください。皆さんは光です。皆さんは希望です。この地域にとって三条市にとって、日本にとって、そして世界へ皆さんとともに明るい未来を、楽しい未来をつくっていけることをとても期待している」とエールを送った。
卒業生代表の別れのことばでは、3年間の学校生活を振り返り、「この限られた生活のなかでもさまざまな行事を通して仲間とのきずなをより強くし、最高の団結力を生むことができた。それは日常の生活にも波及していき、修成会(生徒会)スローガンである『英姿颯爽(えいしさっそう)』を体現できたと確信している」と胸を張った。