新潟県警燕署(渡辺将署長)は9日、架空請求詐欺を未然防止した燕市内の金融機関と職員に署長感謝状を贈って表彰した。
表彰を受けたのは、三条信用金庫燕三条支店(燕市井土巻3)と同店職員の石井千尋さん(24)。9日は布川誠人支店長(56)と石井さんの2人が燕署を訪れ、渡辺署長からそれぞれに感謝状を手渡した。
2月上旬に来店した40歳代の男性客が窓口で「動画サイトの登録をキャンセルするために50万円を振り込みたい」と申し出たことから詐欺を疑い、振り込みを中止するよう説得するとともに燕署へ通報し、被害を未然防止した。
男性客はATMで50万円を引き出したあと、ATMの振り込みの操作がわからないと窓口で石井さんに相談した。石井さんは窓口でも振り込めると答えたが、男性客は50万円を10万円ずつ5回に分けて同じ相手に振り込まなければならないと話したことなどから特殊詐欺を疑った。
男性客も50万円の振り込みについては首をかしげいるようなようすで、岩方茂次長が男性客の話を聞く一方で布川支店長が通報した。男性客と話を聞いてる間にも男から2度、電話があり、岩方次長が電話を代わって親せきだと伝えたが、「銀行でしょ?」などと言われ、乱暴な言葉遣いになったと言う。
石井支店長は「店舗が三条と燕にまたがっていて来客も多く、一見の客も多いが、ちょっと気になるお客さまがいらっしゃったらコミュニケーションをよくとって被害を未然防止できればと思う」と言い、「石井さんは単純に受け付けるのではなく、お客さまからいろいろ話をヒアリングしてくれて上司に報告してくれたのが大変よかった」とほめた。
石井さん「燕三条地域でも特殊詐欺がはやっているので、身に覚えのない電話やメールが届いたら今一度、振り込みする前に考えて不安に思ったら警察や金融機関に相談してほしい」と話した。
ことしに入って燕署管内では特殊詐欺被害が2件あり、被害額は合わせて188万円。渡辺署長は「石井さんの言葉に大変、心強く感じる」と喜び、「どうか油断しないでまずは周りの人、警察に相談することを心に留めてほしい」、「今回はふだんからの心がけで未然防止できた」と手柄に感謝した。