コロナ禍で中止になった行事に代えて新たな教化事業をと新潟県三条市本町2、真宗大谷派「三条別院」は昨年秋、コミュニケーションカード「DODALO?(どーだろー?)」を製作。21日を中日とする春彼岸に向けてPRを本格化している。
縦88×横63ミリのカード24枚が小箱に収まる。茶色味を帯びたグレーの単色刷のシンプルでシックにデザインされている。
カードも表に返すと、それぞれ問いがある。「頭を使うのと、体を使うのどっちが得意?」、「最近うれしかったことは」、「瞬間移動するなら過去?未来?」。
遊び方は、ランダムに引いたカードにある問いについて、考えや思ったことを声に出し、ほかの人の話をしっかり聞く。正解のない難しい質問から、ごく個人的なささいな質問までさまざまな問いがある。
勝ち負けを決めるゲームではなく、「自分の考えを発表する」、「他者の思いを聞く」ことでコミュニケーションを図る。QRコードを読む込むと、それぞれの問いに対する回答例に加えて問いに関連した法語、法話が表示される。
回答例は、県央地域を中心に4歳から70歳までの老若男女22人に依頼した。滝沢三条市長、全盲のシンガーソングライター佐藤ひらりさん、小額6年生のプルスノーボーダー村上広乃輔さん、鎚起銅器の玉川堂の玉川基行社長、ハーモニカ奏者の倉井夏樹さんらが回答している。
製作に2年を費やした。新型コロナウイルスの感染防止のため行事の中止が相次ぐなかでも、教え導き善に進ませる手段を考えた。紙を使おうと考えたが、フリーペーパーは配布してもなかなか読んでもらえない。もっと興味をもって読んでもらえる手はないかと考えてコミュニケーションカードに行き着いた。約200もの問いを考えて24にしぼり込んだ。
昨年11月に500セットを作成し、1,000円で先行販売を開始。12月には公式ウェブサイト、販売サイトを立ち上げた。14日は三条別院の主任・斎木浩一郎(40)と会計・関崎勝彦さん(32)、監修とデザインを担当したニシムラデザインの西村隆行さん(43)が三条市役所の滝沢市長を訪問し、10セットを三条市に寄付した。
斎木さんらは、「ふだんかんがえないこともこのカードをきっかけに自分自身について知り、それをまた他者を通して考えるきっかけになれば」、「この人はこんな風に考えているんだというのが垣間見える」と紹介した。
回答例を考えた滝沢市長は「実務的なことを考えていることが多いが、ふだんとは違う脳を使わせてもらった」、「確かに振り返って内省してみることはなかなかない」といい機会をもらったことに感謝し、「第2弾に期待している」とエールを送った。
「DODALO?」は三条別院のほか、中央商店街のSANJO PUBLISHINGでも販売している。問い合わせは三条別院(電話:0256-33-0007)へ。<title>DODALO?</title> 販売サイト