4月16日に新潟県燕市の大河津分水さくら公園を会場に開かれる燕さくらマラソン大会の招待選手、東京2020パラリンピックの陸上競技マラソン男子T46(上肢障がい)クラスで銅メダルに輝いた新潟県村上市出身の永田務選手(38)が17日、鈴木力燕市長を表敬訪問した。
永田選手では26歳のときに工場で勤務中の事故で右腕をけがした後も一般の陸上選手として世界選手権に出場するなど活躍。パラリンピックには今回が初出場で、2時間29分33で銅メダルを獲得。地元新潟県出身選手ということで燕さくらマラソン大会の招待選手に白羽の矢を立てた。
燕さくらマラソン大会は、2019年にそれまでの燕マラソン大会を一新し、大河津分水をコースにハーフマラソンを新設した大会に生まれ変わった。新型コロナウイルスの感染拡大のため一昨年は中止、昨年は対象者を県内に限って開いたが、ことしは対象者を限定せずにフルスペックでの開催となり、定員1,800人で出場者を募集したところ1,643人の申し込みがあった。
ダークスーツを着て訪れた永田選手に鈴木市長はパラリンピックでの銅メダルを祝福し、「燕さくらマラソン大会に出場していただけるということでうれしく思っている」と招待選手を引き受けてくれたことに感謝した。
さっそく銅メダルを見せてもらい、汚さないように手袋を着けて銅メダルを手にした鈴木市長は「点字があるのがパラリンピックらしい」と話し、永田選手は「たくさんの人にさわっていただているので、みんな気兼ねなく自分がいなくてもさわられている」とにっこり。
鈴木市長は、選手村の食堂で使われた燕市製のカトラリーをプレゼント。当時、永田選手はそれと知らずに選手村のカトラリーを使っていたが、「燕のものが使われていることにすごく感激した」と礼を述べた。
コロナ禍で多くの大会が中止されるなかで、燕市の大会開催の決断に「いろいろ声があるなかで開催するといことがいちばん今の時代、大変なことだと思う。ありがたいと思っている」、「雪国の市民ランナーは我慢しながらやってきたので、春を迎えるのが待ち遠しかった」と感謝した。
燕さくらマラソン大会に向けて「自分のなかでは楽しみたいというのがあり、あとはずっとパラの前に合宿してた同期もこの大会に参加するので、あまり離されずに頑張りたい」と笑わせていた。