東京2020パラリンピック開会式で国歌を歌う大役を務めた新潟県三条市の出身の全盲のシンガー、佐藤ひらりさん(20)=武蔵野音大2年=に25日、県知事表彰が贈られた。
ひらりさんは、昨年11月に三条市民栄誉賞を受けたときにも着た、ある五輪選手から借りた園遊会で着た塩沢の着物を着て母、絵美さん(47)と2人で県庁を訪れ、花角英世知事から表彰状と記念品の村上堆朱の皿を受けた。
表彰状では、国歌独唱が「次代を担う若き音楽家に夢を与えるとともに本県の芸術文化に大きく貢献された」功績をたたえた。
ひらりさんは、最近の活動や米国の全盲のシンガー、スティービー・ワンダーとの共演の夢、少女ドラマーYOYOKAさんとスティービー・ワンダーの曲で共演したこと、産新潟のエダマメや米菓「ハッピーターン」、洋ナシ「ル レクチエ」が好きなこと、5月の県知事選のイメージキャラクターにひらりさんの名前が上がっていることなどを話した。
ひらりさんは、全国各地でことあるごとに新潟の情報を発信しており、「もっと県のCMにも使っていただけるとありがたい」と話せば、花角知事も「観光大使をお願いしちゃおうかね」と乗っかり、「県民の希望なのでさらなる活躍を期待している」とひらりさんに託した。
このあとひらりさんは、県民には「応援してくださった皆さん、本当にありがとうございます。これから今、東京に住んでいる私は世界に向けて新潟県の魅力を発信していきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします」とメッセージを話し、報道関係者の要望にこたえて国歌も披露すると大きな拍手がわいた。