新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の春季大祭に合わせた「三条祭り」の大名行列などを運営する三条祭り祭典委員会(吉井直樹委員長)のことしの第1回会議が24日、八幡宮で開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大のため、一昨年、昨年と中止を余儀なくされたが、ことしは大名行列が今の形になってちょうど200周年の大きな節目を迎えることから、記念事業の実行委員会を立ち上げ、関係資料の収集などに取り組む。
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三条の鎮守、八幡宮の春季例大祭として行われる三条祭りは、 1822年(文政5)に村上藩主・内藤信敦(ないとう のぶあつ)が京都所司代となったのを三条郷民が祝って10万石格式の行列を模して神輿渡御(みこしとぎょ)を行ったのが始まりとされる。大名行列の後は、子どもの健やかな成長を祈って親が子どもを肩車し、神輿や太鼓とともに八幡宮社殿を3周して拝殿に納まる舞込(まいこみ)がが行われる。
24日は会議のあと吉井直樹祭典委員長と八幡宮の藤崎重康宮司、そして200周年記念事業実行委員会の委員長に就いた大名行列を支える団体「若衆会」の元会長、相場浩さん(53)が記者会見した。
コロナ禍で一昨年、昨年と2年連続で大名行列を中止したが、吉井祭典委員長は「感染状況により昨年同様、急きょ中止ということもあるが、今のところ何とかやりたいということで決定した」と述べた。
大名行列を編成する4団体のうち、先供(さきとも)、囃子方、傘鉾(かさぼこ)は何とか行列に参加したい意向を示しているが、天狗(てんぐ)を担当する道祖神会(どうそしんかい)は、調整中だ。神輿や太鼓は担がずに台車に載せて移動する。
大名行列のメーンは神輿渡御で、歴史のなかで天狗や先供がいつ存在したかもわからず、時代によって行列が変わっている可能性がある。藤崎宮司によると大名行列のルートが市長の要請で延長された過去もあり、吉井祭典委員長は「やる方向で、とにかくどんな形でも出していきたい」とこれまでにも増して強い決意を示した。
4月12日に連絡会議を開いて大名行列の編成などをかため、4月下旬には実施するかどうか最終決定する。
200周年記念事業実行委員長の相場さんは、2008年に若衆会会長を務め、今は世話型。三条祭りとのかかわりは24年になった。実行委員会の活動のカテゴリーは3つあるとして説明した。
過去の三条祭りの資料や写真を市民から募集して収集すること、200周年を迎える今の三条祭りの形を動画などわかりやすい形でしっかり残すこと、これから三条に住む人に三条祭りの良さや必要性を理解してもらうこと。合わせて三条祭りを裏で支え、かかわる人たちにもスポットライトを当てること。「そんな方々すべてが三条祭りのひとつの要素だと思う」。
コロナ禍で5月15日にできることは限られるが、5月1日から16日まで八幡宮に近いまちんか交流広場「ステージえんがわ」で展示を行う。道祖神、先供、囃子、傘鉾の各団体の歴史やいわれをもう1回しっかり聞き直し、パネルにして見やすく展示する。
過去の写真は古いもので明治後期ぐらいからあり、写真や資料の募集を含めて記念事業をことしだけに終わらせず、この5月をスタートに1年、2年かけてしっかりとやっていく。
また、藤崎宮司は、最近になって村上市で発見された内藤信敦の肖像画が借りられればと期待していた。