任期満了に伴う新潟県燕市長選(4月3日告示・10日投開票)に出馬する新人の更科晃(さらしな あきら)氏(58)=燕市四ツ屋=が26日、記者会見してあらためて立候補を表明した。元燕市職員で22日に市民生活部生活環境課衛生センター主任で退職。現職市長の鈴木力氏(61)が初当選から3期連続無投票当選し、4期目を目指して立候補の意志を示していることから、立候補の動機のひとつが選挙戦にすること。キャッチフレーズも「忘れずに投票してください」としている。
前回の燕市長選でも立候補予定者説明会には出席しなかったが、立候補の気持ちは半々だった。選挙戦になる見込みだったので立候補しなかったが、鈴木氏の対立候補予定者が告示当日に立候補をとりやめたため結果的に無投票になった。
二度とないかもしれない燕市長選なので忘れずに投票を
今回の市の広報紙で立候補者説明会を見て出席しようと思い、「私以外の人はいなかったので立候補することに決めた」。赤旗を読むがとくに支持政党はない。日本大学経済学部の学生のころのゼミはマルクス経済学。デモに参加したことはあるが、公務員だったこともあり政治的な活動の経験はない。困っている人を助けたいという思いがある。
更科氏は「民主主義社会は定期的に選挙を行う。選挙のない社会は民主主義じゃない。競争性がないし、出ても仕方がない。現職が勝つに決まっている」とし「めったに二度とないかもしれない燕市長選なので皆さんは忘れずに投票してください」と市民に呼びかける。
鈴木市長は日本でも有数の大変すばらしいいい人
鈴木氏については「日本でも有数の大変すばらしい、いい人だと思う。別にわたしは市長を批判するつもりはない」とするが、多選については具体的な方法はともかく「本来なら自分がアクションを起こしてほしかった」。
多選を批判する。多選はレームダック化する。任期の最後の1年は続投の理由探しになり、世の中の不幸を利用したような理由になるのはよくない。「自分は何期すると出た方がいい。そういう人が出て欲しい。別に誰かを批判しているわけではない」と述べた。
市長と市議の3期連続禁止条例を制定 「一期で一気に!!」
多選を防ぐ手段が、公約のひとつに掲げた市長と市議会議員の任期制限。日本初の3期連続禁止条例を制定する。就任は連続3期までとし、連続2期以内なら何回でも就任できる。
選挙ポスターに書く言葉は「一期で一気に!!」で、市長に当選しても1期で必ずやめるが、その後は出るかもしれない。「選挙に出る人は最初から何期するか言った方がいい」とも。
非正規職員の時給を段階的に1,500円まで引き上げ官製ワーキングプア解消
ほかの公約は、ワーキングプアの解消、ジェンダー平等で副市長と部課長をすべて女性に、稼ぐ稼げるまちに。ワーキングプア解消では、市役所の官製ワーキングプアを問題視し、非正規職員の時給を1,500円ていどになるまで毎年5%以上、引き上げる。それまで間、市長の給料は上げない。市と契約する事業者、指定管理者も同様で、公契約条例を制定する。
副市長と部課長にすべて女性を登用
ジェンダー平等のため、副市長と部課長にすべて女性を登用し、男女共同参画社会を実現する。一定比率の女性の登用が言われるが、男性社会に都合のいい女性が選ばれるため「すべて女性から始めてみようということ」。
稼ぐ稼げるまちにでは、100歳以上の人だけでつくる食堂、空き店舗一坪利用市日、女子メタルバンドフェス、燕産メニュー開発など数多くの事業に取り組み、稼ぐまちになることで人が集まり、稼げるまちなら金を使う人も増えてますます人が集まり、「ますます人口が増えて燕が発展することを期待する」。
選挙選に向かって組織をもたなく、運動員を募っている。選挙運動は選挙カーでの呼びかけくらいになる。ポスターはたまたまウクライナの国旗色を使ったが、選挙カーに設置する看板はウクライナ支援の意味も込めてウクライナーカラーで発注した。
更科氏は1986年に日大を卒業、旧燕市で臨時職員を経験し、87年に入庁した。燕市スポーツ協会の評議員、燕合気道会の事務局に就く。