新潟県の燕市と長岡市の境界を流れる大河津分水が通水して、ことしでちょうど100年。さまざまな100周年記念事業の企画が進むなか、燕市PR大使の燕市出身フルート奏者、本宮宏美さん(37)が100周年記念してつくったテーマソングが29日、初披露された。
29日は鈴木力市長の定例記者会見に続いて新曲のお披露目会が開かれた。鈴木市長は昨年、燕市文化会館で開かれた本宮さんのワンマンコンサート「ふるさとコンサート」の楽屋で本宮さんに作曲を依頼し、二つ返事で本宮さんから承諾してもらった経緯を話して、さっそく録音したテーマソングを聴いた。
本宮さんが作曲したのは2曲。2曲目が本宮さんがメーンテーマと考えていて、タイトルは『大河飛燕』。本宮さんにとっての分水の色のイメージはオレンジや黄色で、キーは本宮さんのなかではオレンジは「ニ長調」(Dメジャー)で、そこから曲づくりを始め、きっかけのモチーフから広げてつくった経緯を話した。
大きな流れや高低や抑揚があって、後半は半音ずつ上がるコード進行があり、「一歩一歩、踏みしめて最後、高みに終わるというイメージもあって、音で人生の曲線みたいなことが描けていいなと思った」とイメージを音に落とし込んだ創作意図を語った。
1曲目は、割り切れない数の7拍子の乗りにくいリズムが特徴。「いろんな人間の割り切れない気持ちを7拍子のなかの不安感とか迫ってくるものが出たらいいなと思った」と解説。これ以外の曲もこれから制作していくと言う。
鈴木市長は「この曲を30の記念事業のなかのいろいろな場面を探して使わせてもらいたい」と話し、学校給食の時間にも校内放送で流すことも検討し、8月27日に開かれる大河津分水サンクスフェスタで本宮さんから生演奏してもらえるように準備を始めたことも話した。
本宮さんは「この楽曲は歌詞がない分だけ、フルートの音で聴いている人自身の生きてきた人生の景色だったり、皆さんが大河津分水を見てきた景色だったりといった自分たちの心の中の思い出をこの曲の中で思いをはせていただけたらいい。それが市長から声をかけてもらったのも、そういう役割が必要なんだと思う」と話した。