社会福祉法人燕市社会福祉協議会(山岡重雄会長)障害者に雇用の場を提供しようと支援しようと燕市老人福祉センター「つばめ荘」(燕市大曲)内に2003年9月にオープンした「ふれあい喫茶ぽぽ」は、膨らむ赤字に耐えきれず3月31日、閉店して18年7カ月の歴史の幕を引いた。
「ふれあい喫茶ぽぽ」は、燕市社会福祉協議会が初めて取り組んだ障害者支援事業。補助金などを受けずに自主運営を続けてきた。
しかし、2006年に合併した新燕市の誕生にあわせて社会福祉協議会も法人合併した。それに伴ってそれまで燕市老人福祉センターには燕市社会福祉協議会の事務局を置いていたが、法人合併で吉田地区の燕市民交流センターに本所を設置し、燕市老人福祉センターには燕支所を置くこととなった。
そのため、それまで燕市老人福祉センターで行われていた燕市社会福祉協議会の事業の多くが燕市民交流センターに会場を移し、燕市民交流センターで行う事業は激減した。
燕市民交流センターの来館者が減れば当然、「ふれあい喫茶ぽぽ」の利用者も減少した。とくにここ数年は経営が悪化し、累積赤字は約400万円に膨らんだ。
収支改善を図るため少しでも利用者増につながればと、昨年4月から市内に43カ所ある「ふれあいサロン」から燕市老人福祉センターの入浴施設などを利用する人のために無料で送迎バスを運行するサービスを実施した。
しかし、折からの新型コロナウイルスの影響で外出を控えるようになったため、ほとんど利用がなく、経営の継続を断念せざるを得ず、閉店を決めた。
閉店に向けて3月は感謝祭を開き、感謝祭メニューを用意し、お楽しみ抽選会も行った。そして最終日の31日は閉店式を行い、「ふれあい喫茶ぽぽ」で働いた9人、現ボランティア7人、旧ボランティア8人に山岡会長から記念品を贈り、みんなでケーキと一緒に最後の「ふれあい喫茶ぽぽ」のコーヒーを味わって閉店を惜しんだ。
あいさつで山岡会長は「理事会、評議委員会にはかり慎重に審議していただいた結果、誠に残念だが閉店することにした」と説明した。
「ふれあい喫茶ぽぽ」の開店に尽力した当時の会長、青柳芳郎さん(97)は「当時は障害のある人が働く場所がなく、生きがいを感じる場所になると思った」と当時を思い出す。閉店を惜しみながらも「新しく別な方法を考えてみんなが参加できる場所をつくらなければ」と、これで終わりではなく、新たなスタートと前向きにとらえていた。