任期満了に伴う新潟県・燕市長選が3日告示され、午前8時半に始まった立候補届出受け付けには立候補を表明していた4期目を目指す現職の鈴木力(すずき つとむ)氏(61)と新人で元燕市職員の更科晃(さらしな あきら)氏(58)の2人が立候補を届け出た。16年ぶりの選挙戦となり、3期連続で無投票当選の鈴木氏は初めての選挙戦となった。
立候補届出に鈴木氏は陣営の支持者2人、更科氏は本人が1人で訪れ、届け出順はくじ引きで鈴木氏が1番、更科氏が2番になった。
鈴木氏の後援会「新しい燕をつくる会」は午前9時から選挙事務所で出陣式を行った。鈴木氏は地元の政界や業界から大きな支援を得ており、来賓のあいさつやだるまの目入れを行ったあと鈴木氏は、「燕はひとつ」を深化、「燕よひかれ」を進化、「やるぞ燕」の真価の発揮で「日本一輝いているまち」の実現が「私のこれまでの集大成ともいうべきスローガン」と述べた。
4期目は「新型コロナ禍からの早期回復」、「未来につなぐ新たな地方創生」の2つの政策を掲げ、「深化、進化、真価、輝く燕、これを合い言葉に日本一輝いているまち燕市を一緒に築いてまりいましよう。私はその先頭に立って精いっぱい全力に立って取り組む」と決意を示した。
更科氏は午前10時40分からウオエイ小中川店前で第一声を放った。後援会組織はなく、ほぼひとりの選挙戦。貧困や自殺者の増加、ワーキングプアの解消が喫緊の課題とし、市長と市議会議員の任期を連続2期までに制限する政策、さらに立候補の大きな動機のひとつが無投票の阻止にあることから、「忘れずに投票しましょう。市長は選挙で選びましょう。市長は市民が選びましょう」と訴えた。
街宣車に載せた看板は青と黄のウクライナカラーで「戦争反対」とあり、更科氏は「戦争反対、原発反対だが、市の選挙なので」と街宣ではふれなかった。「立候補の手続きが間に合わず、もしかしたら立候補できないかと思った」と苦笑いしながらも「頑張って最後まで戦い抜きたい」と力を込めた。