旧新潟交通電車線を走っていた車両、通称「かぼちゃ電車」と旧月潟駅(新潟市南区月潟)を保存する「かぼちゃ電車保存会」(平田翼会長・会員33人)は、新型コロナウイルスの影響でイベントが減った地元の月潟地区の住民に春を味わってもらおうと週末の9、10の2日間、かぼちゃ電車と夜桜のライトアップを行った。
新潟市の白山前駅と燕市の燕駅間を結んだ新潟交通電車線は、66歳になった1999年4月に廃線。緑と黄に塗り分けられた色がカボチャを連想させ、「かぼちゃ電車」と呼ばれた。廃線の翌年に保存会が発足し、車両3両と月潟駅の駅舎を保存し、公開している。
ライトアップは今回が初めて。昨年はテスト点灯を行い、そのときに保存会で購入したものと月潟商工会から借りたものと合わせて11基のLED照明で夜桜とかぼちゃ電車を照らした。加えてかぼちゃ電車のヘッドライトやテールライト、蛍光灯型の車内灯なども点灯するように改良した。
ライトがついたかぼちゃ電車は、息を吹き返して現役時代によみがえったよう。周辺は公園として整備されており、見ごろを迎えた周囲のサクラのライトアップ、レトロな駅舎とあわせて銀河鉄道で昔へタイムスリップような空想をしたくなる幻想的な演出だった。
密集を避けるために回覧板で地元だけにライトアップを周知し、2日間で約300人が見学に訪れた。会長の平田翼さん(30)は、「これからも地元の皆さんに楽しんでいただけるイベントを続けていきたい」と話していた。