2回目のおいらん役は夫の前で (2022.4.15)

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新型コロナウイルスの感染拡大で一昨年、昨年と2年連続で中止になった新潟県燕市分水地区で毎年行われている「分水おいらん道中」。ことしは規模を大幅に縮小して17日、分水総合体育館で行われ、5年前の分水おいらん道中でおいらん役を務めた県職員の横山(旧姓:大野)美和さん(37)=新潟市=がおいらん役を再演する。

14日に3回目の最後の練習をする横山美和さん
14日に3回目の最後の練習をする横山美和さん

分水おいらん道中は、信濃太夫、桜太夫、分水太夫の3人のおいらん役が行列を組んで分水地区の目抜き通りと大河津分水桜土手を進む。県外から訪れる観光バスもあり、数万人もの見物客を集める名物行事として広く知られる。

しかしコロナ禍で2年連続中止。依然として感染拡大が続いているが、ことしはなんとしても実施しようと大きく内容を変更した。会場はこれまで雨天時の会場に用意していた分水総合体育館を会場に、有料で午前11時と午後1時の2回、さらに午後3時から無料で市民と関係者を対象に計3回、行う。

おいらん役はこれまで3人を公募していたが、ことしは公募せずに「分水太夫」1人だけとし、経験者の横山さんに白羽の矢を立てた。道中では行列を止め、おいらん役は腰を落として高下駄を大きく外へ振りだして足を前へ出す「外八文字」という独特の歩き方を披露する。その練習を本番に向けて3日間、行った。

本番を心待ちにしている横山美和さん
本番を心待ちにしている横山美和さん

おいらん役は見た目以上に体力勝負。かつらと衣装を合わせた重さは30kgにもなり、かつらが頭を締め付ける。気温が上がると熱中症に見舞われることもあり、途中で歩けなくなることも珍しくないが、まさかの再演を依頼された横山さんは「素直にうれしかった。また、かつらを着けられるのも」と喜んで引き受けた。

「5年前と気持ちは同じ。見に来た人に楽しんでほしいのと新潟県のいいところを伝えたい」と県職のかがみ。「ライブ配信もあるので、会場に来られない人にも楽しんでほしい」と言う。

前回とのいちばんの違いは結婚したこと。思いがけずおいらん役の姿を夫に見せられることになった。夫は「すっごく楽しみにしてるし、3回のうち2回、見てくれる」と笑い、自身も「楽しんでおいらんの姿を見てほしい」と心待ちにしている。


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