燕市の型染め作家で日展会友の渡邉久意さん染色展が弥彦で開幕 (2022.4.24)

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新潟県弥彦村の弥彦の丘美術館(五十嵐敬吾館長)は、23日から5月29日まで企画展「渡邉久意(わたなべ ひさい)染色展 ー型を彫る・染めるー」を開き、新潟県燕市の型染め作家で日展会友の渡邉久意さん(73)が制作した日展、芸展、現代工芸新潟会展の出品作を中心に2009年から21年までに制作した15点を展示している。

渡邉久意さん
渡邉久意さん

型染めは日本古来の染色技法のひとつ。渋柿を張り合わせた型紙を刃物で彫り抜き、それを使って数多くの工程をへて和紙を染める。

渡邉さんは燕市の旧吉田町出身で、多摩美術大学デザイン科グラフィックデザインを専攻。夫が転勤族だったこともあり、東京で稲垣稔次郎(1902-63)、静岡で芹沢?介(1895-1984)とそれぞれ人間国宝の型染め作家の作品を鑑賞して型染めに出会い、魅了されて40年ほど前に型染めを始めた。

企画展「渡邉久意染色展 ー型を彫る・染めるー」
企画展「渡邉久意染色展 ー型を彫る・染めるー」

転勤が多かったので決まった先生に就くことができず、独学で技法を学んだ。実家は機屋(はたや)だった。仕事の関係で父に十日町市に連れて行ってもらったり、片貝で見た藍染(あいぞめ)の記憶などがベースにあり、「割と型染めにすんなりと入ることができた」。

染めを専攻した大学時代の友だちに教えてもらったり、京都へ出向いたときに型染め作家の伊砂新雄氏からアドバイスを受けることもあった。

2000年に夫が定年退職して新潟へ戻り、翌01年の県展に初出品で初入選し、以後、連続入選。村上市の村上堆朱を手掛けた大滝源一の紹介で現代工芸新潟会展、芸展、日展に出品するようになった。

第8回日展「月下畏景」
第8回日展「月下畏景」

日展は04年に初入選し、以後13回入選し、18年に日展会友に推挙された。県展無鑑査、新潟県美術家連盟里維持、現代工芸美術家協会本会員、燕市美術協会副会長。

若いころにギリシャを3回ほど旅行したこともあり、神殿の柱など遺跡を描いた作品が目立つ。「時の流れや経緯を意識する。それと自然のものを組み合わせている。意識的というより自然とそうなる」と渡邉さんは自己分析する。

型染めは刃物で彫るので曲線がうまく描写できない。制約がいろいろあり、「油絵がプラスなら型染めはマイナスの技法。最初に型を彫り上げた段階で決まってしまう」。そこが難しさでもあり、おもしろさでもある。

第64回県展賞「希光」
第64回県展賞「希光」

依然は色を抑制したモノトーンの作品が多かったが、近年はよりカラフルになってきている。「もう少し色を楽しみたいと思う気持ちになってきている。本来の染めの色を生かしていきたい」とこれからの方向性を話す。

24日(日)、5月5日(木・祝)、28日(土)は渡邉さんが来館し、それぞれ午前10時からと午後2時からの2回、約1時間の作品解説を行い、型紙もお披露目する。

会期中は休まず毎日午前9時から午後4時半まで開館、入館料は高校生以上300円、小中学生150円。問い合わせは弥彦の丘美術館(電話:0256-94-4875)。

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