新潟県三条市神明町、神明宮(三上行雄宮司)で28日(木)を宵宮、29日(金・祝)を本祭に開かれる春季大祭で1年ぶりの神楽奉納に向けて、県指定無形民俗文化財「三条神楽」を保存する神明宮伶人会(笹川浩志会長)は21日から毎晩、けいこに取り組んでいる。
春季大祭と秋季大祭の年2回、神楽が奉納されている。新型コロナウイルスの感染防止のため昨年の秋季大祭は神楽を中止し、1年ぶりの奉納となる。
拝殿となりの仮設の舞殿で、28日の宵宮で1回、29日の本祭で2回の奉納を行う。宵宮は午後7時から神事に続いて9舞、本祭は午後2時から11舞、7時から8舞を舞う。
子どもたちに人気の奉納されたもちと菓子をまく「もちまき」は、宵宮は午後8時半ごろ、本祭は午後3時半と4時、8時過ぎをそれぞれめどに行う。
神明宮伶人会は、伶人(れいじん)6人、見習い2人、そして年長児から中学1年生までの稚児12人。21日から27日までの7日間、毎晩、稚児のけいこ、続いて伶人のけいこを行っている。
例年は中日1日を休んで6日間のけいこだが、今回は1年ぶりとあって休みを設けず7日間、ぶっ続けでけいこ。笛や太鼓の音が響く春の夜に、衣装を着けずにけいこに励んでいる。
1年ぶりではさすがに忘れていることも多く、勘を取り戻すのにも時間がかかっている。途中で舞を止めて動作を確認し、ぴりっとしない稚児をしかる場面も。練習を繰り返して所作を体に染みこませていた。
会長の笹川浩志さん(59)は「コロナに祭りができればいいと思っている。1年ぶりだがちゃんと神さまに奉納して皆さんがコロナに負けないで頑張ってほしい」と話していた。