新潟県三条市の書家、中村暢子(のぶこ)さん(53)が主宰する書道団体「ー書創ー綺羅(きら)」の6回目となる社中展が29日(金・祝)から5月1日(日)までの3日間、三条東公民館で開かれる。
中村さんを含め全員が1人1点ずつ合わせて46点を出展。仮名の作品がほとんどで、中村さんは大正から昭和にかけての歌人、柳原白蓮の歌を書いた「たまゆら」を展示する。
ほかにも作品にあるホタルをイメージした壁紙をパネルに張ったり、長野県の巨樹の写真をデザインしたパネルにC.W.ニコルさんの物語を書いた作品を張ったり。
それぞれの作品の名札には、作者が作品に込めた思いなどを書いたコメントもプリントした。鮮やかな色を表装に使った作品も多く、書道とあまり縁のない人にも敷居が低く、親しみすく気軽に鑑賞できる。
中村さんは、かな書道で日展入選や読売書法展読売新聞社賞を受けた気鋭の書家。兵庫県に本部を置く書道香瓔会(こうようかい)の理事、読売書法会の理事・審査員を務め、地元でも新潟県書道協会常務理事や三条美術協会副理事長に就く。
教え子からの要望を受けて1年おきに書展を開催。開幕前日の28日は午後から会場で展示作業を行った。準備から当日の運営まで教え子が自主的に動いてくれる。
中村さんは教え子に「みんなやりたことがはっきりしてきた」と作品に成長を感じ、喜ぶ。「書は読めないという声を聞くが、読まずとも見て何かを感じてもらえればいい。そして美しい日本の伝統をあらためて発見する、そんな時を過ごしていただければ」と来場を待っている。
また、会場には教え子の滝沢亮三条市長の作品もある。午前10時から午後5時まで、最終日5月1日は午後3時半まで開場。入場無料。