新潟県三条市の八幡宮(藤崎重康宮司)の春季例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)に伴う大名行列が15日(日)、3年ぶりに行われる。新型コロナウイルス感染防止のため内容が変更されることから、大名行列の人員確保、行列組立、運行管理を担う三条祭り若衆会(石川貴大会長)は変更内容を周知している。
関係者以外でいちばん影響があるのが、神輿を戻す還御祭に伴う舞い込みだ。これまで通り午後5時から八幡宮で行うのは変わらないが、順番に拝殿の回りを走って3周してから拝殿へ舞い込むが、ことしは回らない。先供、神馬(しんめ)、道祖神(どうそじん)、そして神輿2基と囃子(はやし)方の太鼓の順に参道から真っ直ぐ走らずに拝殿へ上がる。
そして子どもを肩車した親子は、拝殿裏手の八幡公園側から入場し、最後尾プラカードを目印に拝殿に向かって右側に間隔をとって整列し、走らずに拝殿へ上がる。例年、拝殿では道祖神や神官が子どもの頭をなでるが、感染が心配されるため、ことしは子どもの頭の上で神楽鈴を鳴らして清める。
そのまま一方通行で拝殿から外へ。風邪症状のある人は来場を控え、参加者はマスクを着用するのはもちろん、これまで通りけがの防止のため白足袋の着用が必須で、白足袋は境内に設置する若衆会のテントでも販売する。
大名行列は先供や道祖神、囃子方も含め例年より100人ほど少ない約250人で編成する。神輿は担がずに昨年、製作したものの大名行列中止で出番のなかった台車に乗せて引く。
大名行列の出発は例年より30分遅い午後1時。これまで参道を出てからいったん右へ曲がって大通りの西端へ回り込んでから大通りを東進したが、ことしは台車を使うことなどもあり、回り込まずに参道から真っ直ぐ大通りへ出て東進する。
行列は本来なら田島2、諏訪神社まで向かうが、ことしは一ノ門交差点までで終わり、3時ごろ到着予定だ。
三条の大名行列は、1822年(文政5)に村上藩主内藤信敦が京都所司代となったのを三条郷民が祝って10万石格式の行列を模して神輿渡御を行ったのが始まりとされる。ことしはそれからちょうど200年になるのを記念して、三条市の滝沢亮市長と村上市の高橋邦芳市長が行列に加わる。
若衆会の第四十代会長、自営業石川貴大さん(36)は、「ことしこそはなんとか大名行列を出そうとやってきた。形は変わったが3年ぶりの祭りを楽しんでほしい」と自身も当日を心待ちにしている。