三条市・八幡宮の春季例大祭の「三条祭り」で15日行われる200周年の大名行列を前に向けて12日夜、八幡宮で高げたで歩くてんぐとはやしの練習が行われた。
新型コロナウイルスの感染防止のため、大名行列は一昨年、昨年と2年連続で中止され、ことしは感染防止に配慮して一部内容を変更、縮小して行われる。
大名行列のなかでてんぐは最も注目を集める存在。道祖神(どうそじん)会の会員が道中で交代して務める。進む速度が遅いので大名行列のペースメーカー。ことしは会員19人のうち経験者ばかり16人がてんぐを務める。ことしはルートが短縮されたのでてんぐ役も少ない。
6日から13日まで毎晩、八幡宮参道から続く八幡小路で練習している。1枚歯か2枚歯の高さ約60センチもある高げたをはく。脇を支えてもらって歩く。練習ではふらつく場面もあったが、ひたすら歩き続けでバランス感覚を取り戻していた。
会長の鈴木直さん(74)は2019年に会長になってからは2回目の大名行列。「皆さんブランクがありながら体が覚えていて、思い出しながら結構、うまくできている」と練習のようすを見守った。
「昨年と形が違うのは仕方ないわね。開催できるだけでも喜ばないと。いつもと変わらないできれば」と願った。
振り上げた足を下ろすときに高げたがアスファルトをたたく「カツン」という音の背後で、はやしの音が聞こえた。八幡宮境内では八幡宮囃子(はやし)方組合が練習していた。
囃子方は太鼓と笛を演奏する。道中にある諏訪神社、住吉神社、愛宕神社の前では足を止めて、「シャギリ」と呼ぶ違う曲を演奏する。ことしは医療関係者が参加を見合わせたものの例年並みの38人が参加する。
練習は例年、8回行っているが、ことしは1日から初めて6回に減らし、この日が最終日。会長の遠藤勇市さん(72)は「3年ぶりで気持ちが高ぶって気合いが入っている」と高揚感にを味わっている。