14、15の2日間の新潟県三条市・八幡宮の春季大祭「三条祭り」にあわせて、八幡宮の地元にゆかりの有志でつくる敬神会(池田健治会長)は宵宮の14日、ことしも新しい鈴緒をこしらえ、磨き直した鈴とともに八幡宮に奉納した。
毎年5月1日に八幡宮拝殿に下がっている鈴をはずし、会員が持ち回りで2週間かけて磨きあげ、鈴緒を編んで奉納する。敬神会はそのためだけに存在する。始まりは明らかではないが、真ちゅう製の鈴には「昭和47年5月吉日」とある。
ことしは6人が参加。雨が降りそうだったので、。ことしの大名行列200周年記念事業実行委員会の委員長にもなった相場浩さん(53)が経営する相場紙器(三条市八幡町)のカーポートの屋根の下で作業した。
鈴をことしは丸山鉄兵さん(43)が磨いた。鈴緒は8本の荒縄を束ねて太くしたものを3本作ったら、それぞれ黒、赤、白の布で包むように巻きながら、3本を同じ方向にしぼるようにねじることで、摩擦力だけで1本の太い綱になる。
「よーいさっさっ、よいやさーのさっ!」の独特なかけ声でリズムをとり、束を引くタイミングを合わせるて束を引く。鈴緒のいちばん下を結び、組みひもの房で包み、麻ひもを垂らし、2時間がかりで完成した。
かごを担ぐように鈴を下げた棒の前後を肩に載せ、鈴を鳴らしながら八幡宮へ運び、神前に供えて参拝したあと、はしごに登って拝殿の屋根の下に取り付けた。本来ならそれで終わりだが、昨年と同様に感染防止のためしばらくしてから鈴だけ残して鈴緒を外した。
三条祭りの呼び物は、本祭15日の十万石の格式の大名行列。新型コロナウイルスの影響でことしは感染防止のため規模を縮小、変更して3年ぶりに行われる。
相場さんは「2年やってないので思い出し、思い出しになる。今までなら例年通りって言えばそれですんだのに、いちいち確認が必要になり、おまけに忘れてる」と苦労しているが、記念事業の大名行列に関する資料集めは順調で、「皆さん好意的に頑張れよと連絡をもらっている」と感謝している。