新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の春季例大祭「三条祭り」で15日、3年ぶりに大名行列が復活した。新型コロナウイルスの感染防止のため内容を一部縮小、変更したが、大名行列200周年を記念して初めて村上市長と三条市長も行列に加わって盛り上げた。
15日は本祭で、午前の神事は例年通り行ったが、傘鉾コンクールは応募が少なかったため中止。午後1時にごった返す境内から大名行列が出発した。
三条祭りの大名行列は、1822年(文政5)に村上藩主内藤信敦が京都所司代となったのを三条郷民が祝って10万石格式の行列を模して神輿渡御(みこしとぎょ)を行ったの始まりとされ、ことしでちょうど200年になった。
大名行列が始まるころから日が照り始め、汗ばむ三条祭りになった。出発前のあいさつで滝沢亮三条市長は「記念すべき200周年の年に高橋村上市長が来てくれた」と歓迎。村上藩の家紋「下がり藤」を着けた裃(かみしも)を着た高橋邦芳村上市長は「村上は三条の皆さんといにしえからご縁をいただいている」、「(200周年の)記念の日に、ここにおじゃませていただくことを本当にうれしく思っている」と感謝した。
前三条市長の国定勇人衆院議員も行列に加わり、200周年にふさわしい豪華な布陣。吉井直樹三条祭り祭典委員長は「皆さんの助力があってきょうを迎えることができた。それに恥じぬよう立派な行列を施行してお祝いしたい」と3年ぶりの開催を喜んだ。
大名行列は例年よりやや少なく約250人で編成。進む距離も短く一ノ門交差点まで。鉄棒、露払いに続いて先供(やっこ)が行列を先導し、導祖神(てんぐ)、弓持や鷹匠の子どもたち、三条祭り若衆会、神職、囃子方などが続いた。
いちばんの注目がてんぐ。高さ約60センチもある高げたをはいて歩き、16人が交代しててんぐ役を務めた。担ぎ手が足りないため昨年、新調した神輿の台車を今回、初めて使ったが、神輿の重さに耐えられずにキャスターが壊れかけていた。
大名行列が始まるころから日が照り始め、春祭りだが初夏の陽気。まだ感染を心配して人の集まる場所へ出掛けないようしている人もいるが、3年ぶりの大名行列に人出はコロナ前と変わりなかった。
天狗を怖がる子どもを「人間がお面をかぶってるだけだよ」と諭し、「やっこさんは祭りの華」、「粋らよね」と話し、和服で着飾る人もあり、それぞれの三条祭りを楽しんでいた。