14日(土)を宵宮、15日(日)を本祭に燕市・戸隠神社(星野和彦宮司)の春季祭礼が行われている。新型コロナウイルスの影響で中止していた木場小路万灯と横町万灯の2つの万灯が3年ぶりにそろい踏み。露店も3年ぶりに復活して規模を縮小しながらも燕の春祭りが帰ってきた。
万灯は、山車(だし)の中央に灯ろうを載せ、てっぺんから色紙を折って作った花で飾ったタケ数十本を傘のように垂らしたもの。万灯の上で若連中が太鼓や笛で祭りばやしを奏で、「ひょっとこ」と呼ぶ男の子が扇子を広げて踊る。さらに木場小路万灯組は「お玉」、横町万灯保存会は「踊り子」と呼ぶ小学生の女の子が「伊勢音頭」に合わせて踊り、門付けに回る。
2年前は両万灯とも中止。昨年は木場小路万灯だけが1回だけ拝殿のなかで踊る参拝奉納を行った。ことしは規模、内容を縮小しながらも両万灯とも参加している。
両万灯とも山車の運行は中止した。踊り手はそれぞれ12人のところ木場小路万灯は8人、横町万灯は6人にとどめ、若連中を含む全体の参加人数も制限した。本来なら門付けに回り、要所で下座と呼ぶ全員そろっての踊りの披露、締めくくりに舞い込みが行われるが、宵宮は木場小路万灯は件数を減らして門付けし、横町万灯は門付けを中止して3カ所だけで踊りを披露。その後、午後6時過ぎから戸隠神社参道で木場小路万灯、続いて横町万灯が踊りを奉納した。
朝のうちは雨が残ったが、万灯が始まるころにぴたりと雨が上がり、万灯に水を差すような野暮なことはなかった。参道の両側を二重三重に見物客が埋め、華やかな衣装と化粧で「よーいとな」を合図に踊り出すかわいい姿を目を細めて見物していた。
本来は踊りのタイミングで両万灯が同じ場所に居合わせることはないが、先に奉納した木場小路万灯は初めて横町万灯の踊りを目の当たりにして興味深く見ていた。
15日の本祭は、例年の大名行列は中止。木場小路万灯が午前9時から戸隠神社で奉納したあと、氏子町内の結界である3カ所の砂盛を秋葉町1、新町、中央通3の順に回って奉納。続いて同じルートを横町万灯が奉納、さらに阿部家、万福寺、神職らが祭礼の神事のあと行列を組んで砂盛前で参拝。11時から拝殿で神伶会が神楽舞を奉納して終わる。
また、戸隠神社が面する大通りでも3年ぶりに露店が開設されている。出店は37店で3年前の109店から3分の1に。出展者を県内だけに限ったこともあるが、それ以上に同じ2日間の三条祭りと丸かぶりしたことが大きく影響したようだ。
それでも人出はコロナ前とそん色ないほど多く、あちこちで「やっぱり祭りはいいね」、「祭りはこうでなくちゃ」といった声が聞かれた。