24、25日の吉田天満宮(新潟県燕市吉田下町)の大祭は宵宮の24日、3年ぶりの露店は前回の3分の2の112店の出店にとどまっているものの、これまでを上回るほどの人出でにぎわっている。
夕方から学校から帰った子どもたちが続々と訪れた。日中は汗ばむ陽気で、浴衣や甚平を着た子どもも。越後線と弥彦線が交わる吉田駅から近いので高校生が多いのも特徴で、人を避けて通らなければならないほどごった返している。
先に行われた三条市の八幡宮や燕市の戸隠神社の春祭りでも3年ぶりに露店が開設され、出店が減ったのに人出は例年並みかそれ以上で、品切れになる露店が相次ぎ、「コロナで大変だったけど一息ついた」という人もいた。
吉田天満宮の露店も同じような状況で、露店には長い行列ができていた。子どもたちは「騒ぎらね」、「すげー混んでんな」、「なにがあんだ?」と驚き、休憩場所がすくないこともあるのが、なぜかこの祭りでは目立つ地面に座る“ジベタリアン”も健在だった。
一方で吉田天満宮は出世天神と称して祈願すると立身出世すると言われ、祈願の記念に祭りで植木を買うと成木になるころに願いが成就するとされた。そのため祭りには植木を売る店が多く並び、「吉田の植木祭り」とも呼ばれた。
ところが今回、植木の出店は1店だけ。三条市・真宗大谷派三条別院の「お取越(おとりこし)」もかつては苗木などを販売する露店が多かったのが、2013年から植木の出店が絶えている。夜店の代名詞だった植木や金魚、綿あめ、ミドリガメ、ヒヨコなどがすっかり影を潜めてしまった。
また、同じ24、25日の2日間、近くの中町ふれあいセンターでは恒例の池坊花展が開かれ、観音寺では本堂が開放されている。吉田天満宮の拝殿の参道には、参拝を待つ人の行列が50メートル以上に延びることもあった露店が少なめで行き交う人がマスクをしているが以外は、コロナ禍以前の祭りの風景を取り戻している。