24、25日の吉田天満宮(新潟県燕市吉田下町)の大祭に向けて24日、新型コロナウイルスの影響で中止されていた露店が3年ぶりに開設。今回は感染防止のため出店は県内の露店商に限り事前申請とし、前回3年前の171店の3分の2に当たる112店が出店している。
吉田天満宮は、燕市吉田地域の大地主だった今井家の当主が、江戸中期に西川に流れてきた天神像を拾って遊んでいるのを見て、これを譲り受けて屋敷内に祭ったのが始まりとされる。しかし、神様を同じ屋敷内に祭るのは恐れ多いと移したのが、今の吉田天満宮になった。
出世天神と称して祈願すると立身出世すると言われ、祈願の記念に祭りで植木を買うと成木になるころに願いが成就するとされた。そのため祭りには植木を売る店が多く並び、「吉田の植木祭り」とも呼ばれた。
菅原道真は6月25日に生まれ、2月25日に死んだことから、25日は「天神さんの日」の縁日でもあるからか、祭りは毎年5月24日を宵宮、25日を本祭としている。
その今井家の「香林堂」が沿道に建つ本町通りから学校町通りにかけての旧吉田町の昔の目抜き通りを車両通行止めにして露店が並ぶ。少しでも密集を避けようと道路両側に並んだ露店をことしは片側だけにし、露店同士の間隔も広めにとった。
県央地域でも出店が多い祭りで知られるだけに、2年続きの露店中止は子どもたちをがっかりさせた。2日間とも好天の予報で、例年並みかそれ以上の人出となりそうだ。ただし、出店をこれまでの午後9時半までから今回は30分早めて9時までとした。
天満宮では24日午後6時半から宵宮祭、25日午前10時半から大祭が行われる。2日間と午後7時から9時まで境内の舞台で奉納園芸としてカラオケ演芸大会が開かれ、1日に6団体・個人がカラオケや踊りを披露する。
例年、拝殿前から参拝客の長い行列ができるが、間隔を空けて並ぶように参道に足形のカードを張った。また、大祭のポスターに印刷していた協賛者名を経費削減の意味もあって協賛者名の木札を表示した掲示板を参道わきに新設している。