6月5日、6日の2日間、新潟県三条市の三条防災ステーションで3年ぶりの三条凧(たこ)合戦が開かれ、20の凧組が参加して競った結果、東三条五月会が10連覇を飾り、赤組は大町組景清が優勝した。
ことし新しい参加を公募した結果、新たに5組が参加して20組が参加して空中戦を繰り広げた。例年、赤と白の2つの組みに陣地を分けて色の違う組と対戦するが、ことしは新型コロナウイルス感染防止のため、さらに赤と白をAとBに分け、赤Aと白Aが対戦するといった形に一度の合戦を半分の10組にして行った。
2日間とも好天に恵まれ、2日目は風が強すぎるほどだった。2日間の合戦の合計得点で競い、赤組は大町組景清(19点)、白組は東三条五月会(25点)でそれぞれ優勝し、両者で得点が多かった東三条五月会を総合優勝とした。
合戦以外にも見どころはたくさんあった。滝沢亮三条市長は初めての三条凧合戦で、凧揚げに挑戦。「思った以上に重い」と体を持って行かれそうなほど凧が引っ張られる力の強さに驚いていた。
秋から放送予定の三条市を舞台としたエイベックス制作のアニメ「Do It Yourself !! - どぅーいっとゆあせるふ -」の主人公「結愛(ゆあ)せるふ」役に決まった新潟県出身の声優、稲垣好(いながき このみ)さんをはじめアニメチームが参加した。
稲垣さんは開会式であいさつし、三条市の株式会社高儀をオフィシャルパートナーにアニメを制作していることを紹介。アニメのお決まりのせりふで、稲垣さんの「どぅーいっと」に続いて会場の揚げ師が声をそろえて「ゆあせるふ!」と唱和して盛り上げた。
さらにアニメの主人公などを描いた50枚ド(2.85×2.12m)の六角凧を披露し、稲垣さんも凧揚げにチャレンジした。
初参加の「福ノ島会」は、キャンドルアーティストの「キャンドル・ジュン」こと廣末順さんが代表に就く東日本大震災以来、被災地支援に取り組む一般社団法人LOVE FOR NIPPONで結成した。
3月11日に福島県のJビレッジで開いている復興支援イベントに三条凧協会が参加している縁で三条凧合戦に参加した。廣末代表はあいさつで三条市の市民や企業からさまざま支援を受けていることに感謝した。「ことしは揚げることがテーマ」で、「(三条凧合戦に)まだまだ参加したいという仲間もたくさんいるので、来年はもっともっとというのと、毎月11日に福島でやっているイベントでも何回か福島の子どもたちとイカを揚げようよという話をしている」と話していた。
2日目は会場で三条マルシェが同時開催されて多くの来場者でにぎわい、三条大凧合戦目当てでなかった人も空中戦の観戦を楽しんでいた。3位以上と各賞は次の通り。
令和4年度 三条凧合戦 成績
【赤組】
優勝 大町組景清
準優勝 上町組
3位 三条越路組
【白組】
優勝 東三条五月会
準優勝 清友会
3位 隆青会
【総合優勝】
東三条五月会(前人未到の10連覇)
【技能賞】(凧揚げ技術が優れている組に贈られる賞)
三条越路組
【殊勲賞】(前年度より大きく順位をあげた組に贈られる賞)
清友会
【敢闘賞】(今年度特に頑張っていた組に贈られる賞)
燕三条愛粋組