昨年4月に開学した新潟県三条市の三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)で11日、12日の2日間、初めての学園祭「三燕祭(さんえんさい)」が開かれており、多くの市民が来場してにぎわっている。
ふだんも2階部分までは一般に開放されているが、ほかの部分も含めてこの2日間はキャンパス全体を開放。模擬店をはじめ音楽コンサートやダンス、e-スポーツ大会やキャンパスツアーを含め多彩な企画を繰り広げている。
初日の目玉は「開学おめでとうコンサート」で三条市出身のソプラノ歌手、永桶康子さんら6人の歌手が学生と共演し、200人近くが鑑賞する盛況。午後2時までに約700人が来場した。
模擬店の人気は、バングラデシュ出身のシャハリアル学長が監修した「シャハカレー」。父が作るカレーを見よう見まねでシャハリアル学長が覚えたレシピを2日間にわたって調理実習室で学生にみっちり伝授した。
キーマカレーを発酵させずに薄く焼いたパン「チャパティ」で包んで食べる10種類以上のスパイスを使ったバングラデシュの本場の家庭料理。新潟産の牛肉にもこだわった。
シャハリアル学長は博士号を取った東京電機大学大学院の学園祭でも院生として出店した模擬店で販売したのと同じカレー。1日8万円ほど売り上げた実績があり、味と売れ行きは「実証実験済み」とシャハリアル学長の自慢のレシピだ。
味は「パーフェクト」で「教えた通り」。にぎわうキャンパスにシャハリアル学長は「本当に感謝ですね。これだけ大勢の人に来ていただいて」と大満足だった。
三燕祭実行委員長の栃木県佐野市出身の2年生、上岡玲智(かみおか れいち)さん(20)は、「出店も完売している所も出てきて予想より多くの方に来ていただき、体育館のイベントごともスムーズに順調に進んで良かった」と初めての学園祭が無事にスタートしてほっとしていた。
国定勇人衆院議員も会場を訪れた。国定氏は三条市長として三条市立大学の設置に向けて構想から取り組み、開学を待つばかりというところまでやり遂げ、国政を目指して2020年10月に市長を辞職。開学には立ち会えなかったが、まさに三条市立大学の生みの親だ。
開学には涙が出る思いと言う国定氏は「なによりも驚いたのはこんなに地域住民の皆さんに三条市立大学を受け入れていただいている。それが今回の祭りを通じて感じることができた」とあらためて関係者の尽力に感謝した。
株式会社ハードオフコーポレーションの山本善政代表取締役会長も来場。昨年、代表幹事に就く新潟経済同友会で三条市立大学を訪れたときにシャハリアル学長が拓殖大学の後輩と知ってから親しく交流している。「とんがった三条に本当ふさわしい大学。こういう大学がこれからは必要」とシャハリアル学長の手腕も含めて高く評価していた。
2日目の12日は午前11時半からのSecretゲストライブを目玉に三条高校の吹奏楽部とダンス部の発表、科学イベント、ゴッドハンド株式会社の角田稔社長による講演などが行われる。