新潟県田上町のブランドウメ「越の梅」の出荷が昨年より1日早く17日、始まった。5月の高温と少雨ので実の付きは例年の7割ほどにとどまるが、品質は例年並みの見込みだ。
「越の梅」は種が小さくて果肉が多く、色づきがいいのが特徴。皮が薄く梅干しなどの加工に適している反面、代償として果実が裂ける“裂果”が発生しやすい。
JAにいがた南蒲の田上町梅生産組合では、組合員19人が約7ヘクタールで栽培している。収穫は6月下旬をピークに7月上旬まで続き、約25トンの出荷を見込み、1日最大約3トンを出荷する。
収穫したウメは県内スーパーで販売されるほか、農産物直売所「ただいまーと」の店頭にも並ぶ。県内加工業者や近隣の直売所にも出荷される。
約20アールの畑でウメを栽培する組合長の小柳松栄さん(73)は17日、雨上がりで水滴のつくウメの実を収穫した。
小柳さんの話では、ことしは春先から雨が降らず、水分不足で粒が小さくなった。10日ほど前に恵みの雨があったが、その後は気温が下がって収穫を迎えたが、これから粒が大きくなっていくことを期待する。
さらに「最近、30度超えの日があって一気に色がついた。赤い色がつくのが特徴。結果的には見栄えがする色になった」と手応えを感じている。
後継者不足や生産者の高齢化で「越の梅」の収量は、10年くらい前のピークのころと比べると半分ほどになったが、品質には自信がある。「田上のブランドということで認知していただき、消費者の皆さんに行き渡る分は少ないが、どこのウメでもウメは健康食品のひとつなので、食べていただければありがたい」と話した。