「道の駅 たがみ」(馬場大輔駅長・新潟県田上町原ヶ崎新田)に17日、間もなく羽化する準絶滅危惧種の国蝶「オオムラサキ」のサナギがやって来た。羽化にあわせたイベントも計画している。
田上町でオオムラサキの繁殖や里山の保全、タケノコ掘りや野鳥観察のイベントに取り組むまちづくりグループ「あじさい塾」(阪内机由塾長)から、ネットをかけたエノキにぶら下がったオオムラサキのサナギ2匹を借りて展示した。
サナギがある近くの枝に洗濯ばさみをはさんである。エノキの葉にそっくりに擬態しているため、葉よりもわずかに白っぽく、葉の裏側を見せているくらいにしか見えない。葉脈のような模様もあり、それがサナギと教えられてもサナギと信じがたいほど本物の葉にうり二つだ。
一度でもサナギを見たことのない人には、サナギを見つけるのは至難の業。サナギを探し始めた来店客もしゃがみ込んで探してもいっこうに見つけられず、職員に教えてもらって「こりゃ、わからんわ」と見事な擬態に感心している。
サナギは1週間以内には羽化しそうで、羽化したらそれから数日後に1日限りの「オオムラサキデー」を設定。その日は1,000円以上、買い物をした人にオオムラサキとゆかりのある福島県西会津で製造されたナメコの缶詰めとオリジナルのオオムラサキのポストカードをプレゼントする。
オオムラサキは羽化すると羽を広げると10センチ前後になり、オスの羽は光沢のある青紫色、メスは光沢のないこげ茶色をしている。18日から「あじさいまつり」が開かれる田上町と五泉市にまたがる護摩堂山(274m)にはかつて捕まえるのに苦労しないほどたくさんのオオムラサキが生息していた。
しかし、開発や森林伐採で激減。そこで「あじさい塾」はオオムラサキの繁殖に取り組み、今では6、7月の飛翔シーズンはオオムラサキを見かけるのことが珍しくなくなった。展示しているサナギは、西会津から田上町にやってきたオオムラサキのサナギ。「あじさい塾」が育てた。
オオムラサキは田上町のシンボルでもあり、「道の駅 たがみ」では「あじさい塾」の活動に共感し、協力させてほしいとサナギを展示した。馬場駅長は「みんなで一緒にオオムラサキの成長を見守ってほしい」と話している。