新潟県三条市の三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)の初めての学園祭「三燕祭(さんえんさい)」で開かれた「開学おめでとうコンサート」の募金箱に来場者から寄せられた約15万円が20日、三条市立大学に学生支援金として寄付された。
三条市のソプラノ歌手、永桶康子さん(48)とコンサート開催のきっかけになった坂田動物病院マネジャーの坂田光子さん(67)が三条市立大学を訪れ、14万9700円をシャハリアル学長に手渡した。
三燕祭は11日、12日の2日間開かれ、「開学おめでとうコンサート」は11日に開かれた。永桶さんをはじめ3人の声楽家らによる開学記念コンサートで、学生も共演した。入場無料で200人近くが来場し、会場出口に募金箱を設置したところ15万円近い善意が寄せられた。1万円札も複数あったと言う。
コンサートは先に坂田さんが三条市立大学に電子ピアノを寄付したのがきっかけ。坂田さんのつてで永桶さんにつながり、実現した。
坂田さんは電子ピアノを寄付したことについて「工学系の学生だからこそ音楽にも通じるものがあると思う。プロの演奏を聴いてみんんあに広がっていくといい」と話した。
永桶さんは高額な寄付が寄せられたことを喜び、「課外活動の費用がまったくないと聞いた。寄付で学生が少しでも豊かな時間を過ごしてほしい」と願い、出演者も客席との距離が近いコンサートを楽しみ、学生が頑張ってくれたようすも話した。
シャハリアル学長は「コンサートの喜びにプラスして音楽を聴いた人から心遣いを残してくれた。さまざまな活動に利用できるのは喜び。これだけの大金がいただけると思わず、これに比例した人々の気持ちがあると思う」と感謝した。
三条市立大学にはまだ学生会がなく、自主的な発足を待っているところで、発足したら学生会から寄付を課外活動などに使ってもらう考えだ。