19日行われた三条市の水害対応総合防災訓練で、災害対策本部の指揮をとった滝沢亮市長は講評で、「きょうはもうちょっと、この場で言います」という何やら雲行きの怪しい前置きで始めた。
滝沢市長は、災害対策本部に到着してから正午までに600ミリの降雨予想の報告を受けた。朝早くぼーっとしているところもあったが、「一気に目が覚めました」。
そして「皆さんは600ミリ正午までという数字を聞いて、ちゃんと目が覚めてくれましたでしょうか?。私が震度7の地震と一緒だって言ってピンときました?」と職員に確認し、「まずピンときてほしかった」と残念そうに話した。
「例えば6時33分に正午で200ミリっていう数字を職員が聞いたとしたら、もうその時点で、私にも電話しないとだと思うし、私はまだ通勤途中だとしても電話会議とかで、即行にその判断をできるような体制にしなければならない」と緊張感に欠けた判断のミスを指摘した。
600ミリの報告を災害対策本部に入って初めて聞いたら「本番なら怒ってるような数字だったと思う」、「200ミリとか300ミリみたいな数字があったら、こういうオンサイトの会議を待ってちゃだめな数字と思った」と詰めた。
いつものようににこやかな表情で「きょうはシミュレーションだからしょうがないけど」と逃げ道も用意しながら、市民の生命と財産にかかわる防災の訓練だけに、ふだんよりやや強い口調でやんわりと叱責していた。
ほかにも水害が発生すれば三条市内へ入ることがリスクになるので、市内の学校や企業へ休業を要請すること、市外への情報発信などの具体的な手法の検討も求めた。