新潟県三条市出身の全盲のシンガー、佐藤ひらりさん(21)が贈るファミリーコンサート「おもいでの森」が26日、三条市体育文化会館で開かれ、パンクロックバンド「ザ・ブルーハーツ(THE BLUE HEARTS) 」のドラマーだった梶原徹也(かじわら てつや)さん(58)がゲスト出演して会場をわかせた。
このコンサートは当初、3月の開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大のためこの日に延期された。そのため、ゲストも当初の予定に代えて梶原さんに依頼した。
ひらりさんと梶原さんは、エンタメを通じて誰も排除しない「まぜこぜの社会」を目指す「一般社団法人 Get in Touch」に参加している。昨年、東京パラリンピックの関連イベントで世界配信されたライブイベント「まぜこぜアイランドツアー」にも2人とも出演した。
梶原さんは、バリアフリー・ロックバンド「サルサガムテープ」やフリースクールでの音楽活動などの取り組みも行っている。この日はコンサートを前に限定10組の親子が参加してポリバケツの口に太鼓の皮の代わりにカラーガムテープを張るワークショップを行い、参加した親子からもステージに上がって共演してもらった。
来場者も一緒に手拍子で参加して、乱打したり、単純にリズムをとってだんだん早くたたいたり。ひらさんが演奏するオリジナル曲「ほめられてのびる子行進曲」に合わせてたたきながら歩く即席マーチングバンドも。梶原さんひとりでドラムソロも披露した。
終盤では梶原さんのドラムでひらりさんがザ・ブルーハーツの「青空」を演奏する。さらにこのコンサートの実行委員会のスタッフや子どものチアリーディングも参加してみんなでザ・ブルーハーツと言えばの「TRAIN-TRAIN」も演奏して盛り上がりはピークに。最後は予定していなかったアンコールで「幸せな手をたたこう」を観客と一体になって楽しんだ。