新潟県三条市の三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)は1日、いずれも燕市花見にあるものづくりの会社、恒成グループ株式会社SUS(サス)=澁木明恵代表取締役社長=と武田金型製作所=武田金型製作所=武田修一社長=で1年生の工場見学を行った。
1年生20人ずつがそれぞれの会社を訪問した。SUSでは、同社の看板商品であるチタン製真空二重タンブラーなどの製造工程を見学した。
チタンタンブラーはイギリスのウィリアム王子にも贈られた表面処理にこだわった製品。日常生活にあるものだけに学生も興味津々で見学し、圧延して金属を延ばす前後のものを手に取って確かめ、真空をつくる機械の規模の大きさに驚き、温度変化で真空状態の検品作業に関心していた。
「言葉だけではわかりにくいこともよく理解できた」、「素材にチタンを使う理由がわかった」とそれぞれに学びを得ていた。
SUSではバイヤーなど取引先の工場見学を行ったり、燕三条工場の祭典に参加して工場見学を行ったりしたことはあるが、三条市立大学の工場見学を受け入れたのは初めて。三条市立大学は工学部技術・経営工学科の単一学科で昨年4月に開学した。
秋には学生5人のインターン受け入れも決まっている。澁木社長は「見学先に選んでもらえて光栄。少しでも学びの機会を与え、ものづくりのおもしろさ、楽しさを伝えたい。燕三条のものづくりは技術継承はかぎになり、学生は今後の燕三条のものづくりを担う宝。私たちは学生と一緒に燕三条のものづくりに取り組み、発展させていきたい」と学生に期待している。