新型コロナウイルスの第7波による感染の急拡大によって再びブレーキがかかり始めた売り上げに手をこまねいてるわけにはいかないと、新潟県三条市にある酒店がウイスキーの量り売りのチャレンジを決断した。ネット通販では見かけるが、対面販売は珍しい。
その店は株式会社横山酒店(横山正社長・三条市東裏館2)。8月1日にウイスキーの量り売りをスタートする。量り売り用に用意した国内外の150種類のウイスキーをずらりと棚に並べた。
ウイスキーで「シングル」と呼ばれる30ml単位での販売。30mlで下は150円から上は「ミクターズ シェンクズ ホームステッド サワーマッシュウイスキー 」で2,000円、「バランタイン 30年」1500円も。
入荷がごく限られているクラフトウイスキーなど3,000円以上の販売としているウイスキーやすでに販売を終了しているウイスキーも。もちろん、ちょい飲みで気に入ったらボトル買いできる。
横山酒店は創業から約50年。販売先は宴会場が中心のため、これまでは安定した売り上げを確保していたが、コロナ禍では逆にそれが裏目に。家飲みが増えて売り上げが増えた酒店もあるのに、宴会自粛で売り上げも激減。前年比30%にまで落ち込むこともあった。
それでも第6波が収束すると宴会が増え、売り上げもようやく持ち直してきたところへ第7波はこれまでにない勢いで感染が急増。宴会も再び自粛ムードになり、売り上げへの影響は避けようがない。沈静化を待つばかりでなく、新たな手段で売り上げにつなげようとウイスキーの量り売りを思いついた。
「ウイスキーが結構、入るようになったのに、売り先がないのでは仕方ない。息子が量り売りのアイデを提案してくれた」と社長の横山正さん(63)。「どれだけウイスキーにこだわっている人がいるのかわからないし、反響も予想できないが、何もしないわけにはいかない。とにかくやってみようと思った」。
ウイスキーは1000種類くらいまで増やそうと考えている。店内で飲む角打ちのようなスタイルも頭にある。「試験的なところはあるが、ウイスキーが好きな人はぜひ試してほしい」と話している。問い合わせは横山酒店(電話:0256-32-6245)。