新潟県三条市で7月24日オープンした図書館等複合施設「まちやま」では、フランス・パリにあるカウンター割烹「あい田」のオーナーシェフで三条市出身の相田康次さんがカフェスペースを営業。「まちやま」の魅力アップに貢献している。
カフェスペースは本館1階の「ステージえんがわ」に近い角にある。ネーミングは“図書館”のフランス語を冠した「ビブリオテックカフェ アイーダ(bibliothèque café Aï-DA)」。スタッフと相談しながらメニューを考えた。
「あい田」のメニューは和食しかないが、フランスのファストフードをイメージ。そば粉のクレープ「ガレット」とリンゴを発酵させたアルコール飲料「シードル」と、ヨーロッパは感じさせる看板メニューにした。ほかに、ところてん、あんみつ、スノーボールクッキー、ソフトドリンク、ノンアルのシードル、国産ビールをそろえた。
相田さんは1968年、三条市で割烹旅館を営む家に生まれた。『笑っていいとも!』のいいとも青年隊でデビューしたアイドルだったこともあるが、料理人に転身し、1997年にフランスに渡り、2005年に「あい田」を開店08年にパリの和食店で初めてミシュラン一つ星を獲得した。
「まちやま」を設計した建築家、隈研吾さんもパリへ行くたびに「あい田」を利用しているので親しく、「まちやま」オープン初日に来館した隈さんも三条市での相田さんの再会と縁を喜んだ。
イタリア・ベネチアのホテルで日本レストランのプロデュースも手掛けているが、カフェの挑戦は今回が初めて。「やったことがないので手探りです。客層や時間帯も違う。お客さんの要望を聞いて工夫していけば、もっとおもしろくなるのでは」と相田さん。「図書館に合うようなサービスとメニューの構成を考えました。少ししばりはあるが、こんなきれいな施設に最初から入れるのはありがたい」と感謝する。
7、8月はフランスはバカンスで時間が取れることもあり、7月17日に来日し、毎日、カウンターに入っている。「真逆なので楽しんでやらせてもらっています。カフェの店主もいいもんだなと」。懐かしい知り合いも来店し、「幼なじみも来てくれて、ほのぼのしますね」と話している。
今回は6日まで店に立っていったん戻るが、今月下旬にも再び来店する予定だ。不定休で午前10時から午後7時前ごろまで営業している。