世界一大きく、世界一くさい花を咲かせるショクダイオオコンニャクが14日、新潟県立植物園(新潟市秋葉区金津)で開花した。開花は珍しく北陸地方では初めてで、日本最北での開花という記録にもなった。
ショクダイオオコンニャクは、インドネシアのスマトラ島の限られた地域にしか生育しない。花は最大で高さ3メートルにもなり、花序をひとつの花とみなすと世界最大の花を咲かせる。
球根が生長すると6カ月ほど休眠して花だけ咲かせ、開花はわずか2日間だけ。それも何年に1度くらいしか開花しない。1日目は発熱して湯気とともに腐った肉のような悪臭を放って受粉する昆虫を呼び寄せる。臭いを拡散させるために発熱するという。
中心に真っすぐ上に伸びる付属体があり、その下から上に広がるように仏炎苞(ぶつえんほう)があり、中におしべとめしべがある。
県立植物園のショクダイオオコンニャクは開園15周年だった2013年に東京大学大学院理学系研究家附属植物園、通称「小石川植物園」から寄贈を受けてから10年目に初めて開花した。
付属体は、土の上に出ている部分が約1メートルとそれほど大きくない。14日午後6時半に発熱を始め、20分で36.8度まで上がった。15日午前2時過ぎでも36度の熱を保っていた。
開花したばかりのときは、離れていてもにおうほどの腐肉臭を放ったが、15日午後には手であおいで鼻を近づけなければにおいがわからないほど弱くなったが、独特の腐肉臭を確認できた。
植物管理課の久原泰雅技術専門員は念願の開花を喜び、「今後、いつ見れるかわからないので、時間が間に合えば見に来ていただければ」と話した。
県立植物園のホームページやSNSで開花情報を発信したこともあり、ショクダイオオコンニャクの前には見学待ちの来園者の列ができることもあった。誰もが興味津々で、においをかいで「くさっ!」と顔をしかめたり、写真を撮ったり、久原技術専門員を質問攻めにしたりして好奇心を満足させていた。