新潟県三条市の三条市社会福祉協議会は17、18日の2日間、村上市豪雨災害支援のボランティアバスを運行しており、応募した三条市民の復興ボランティア37人が被災地で泥出しなどのボランティア活動を行っている。
三条市社協は各地で大規模な災害が起こるたびに復興ボランティアを募って被災地へ向けてボランティアバスを運行している。今回は2日間とも定員20人で参加者を募り、17日は18人、18日は19人の応募があった。
三条市のバスで日帰りで向かい、村上市災害ボランティアセンターで指示を受けて活動。17日はあらかじめ4つの班をつくり、浸水被害のあった坂町地区で4件の依頼に応えて活動した。
ひとつの班は、下鍛冶屋地内の住宅の庭の泥出し作業を行った。住人は老夫婦で自分で作業ができないということでボランティアを依頼したもので、三条市社協の黄色のビブスを着けたボランティアと職員は、黙々とシャベルで泥をかいて袋詰めする作業を続けた。
予報された大雨は降らずそれほど気温も上がらずに作業は順調に進んだ。2時間近い作業で大まかな泥を取り除くことができた。三条市社協総務福祉課の長井智貴主事(36)は「最初のころにあった泥くさいにおいがなくなった」、「熱中症に気をつけながら作業したい」と話していた。
ボランティアの建設業をリタイアした男性(66)は、東日本大震災や2年前の千曲川はん濫のボランティアバスにも参加しており、「ていどの差はあってもどこも同じような感じ。被災した人からみればどこも復旧は大変」と過去の被災地を不振り返った。
上司の勧めで参加した三条市職員の女性(21)は「浸水の映像を見たことはあるけど、きれいな庭に育ったものが一瞬でなくなってしまうのはつらかったと思う」と身に詰まされていた。
村上市災害ボランティアセンターは、神林総合体育館に設置されている。当初はその向かいの神林農村環境改善センターに設置されていたが、避難指示が出ていることもあって神林農村環境改善センターに避難所が設置されることになったため、15日、16日と2日がかりで神林総合体育館に村上市災害ボランティアセンターを引っ越し、ロスが生じた。
ボランティアは11日がピークで360人を数えた。被災地は主に3カ所あり、この日までに受け付けたボランティアの依頼は235件。今も毎日約10件の新たな依頼があり、1日20〜30件に対応している。
平日で150人、土、日曜と祝日は250人のボランティアを見込んだが、盆休みが響いてそこには届いてない。家財道具を運び出したり、敷地の泥出したりの作業は終わりつつあるが、これからは床板をはいで床下の泥出しをする作業が増えてきている。
しかし床板をはぐ作業は素人には難しく、専門的な技術のある経験者が必要になってくる。9月中旬を作業完了のめどとしているが、不安材料も多く、ボランティアを待っている。
個人のボランティアは県内で新型コロナウイルスワクチン接種者を対象に募集している。申し込みは村上市災害ボランティアセンター(電話:0254-66-5831)。