19、20日の2日間、新潟県三条市で開かれている「キッザニアマイスターフェスティバル in 三条」で19日、恒例の子ども議会が開かれた。小学校4年生から中学校2年生まで16人が市議となって一般質問を行い、滝沢亮市長にガチで質問や提案をぶつけた。
「キッザニアマイスターフェスティバル in 三条」は、子ども向けの職業体験型テーマパーク「キッザニア」とタイアップし、夏休みに三条市内の企業の現場で仕事を体験できる事業。2日間で26コースに約340人の小中学生が参加している。
ことしで9年目になり、子ども議会は第1回から行われている。19日の子ども議会に参加した小中学生は、2回に分けて一般質問を行った。子ども議会の開会を告げる庁内放送が流れ、滝沢亮市長から市議の任命書を手渡した。
理事者側は副市長、教育長、部長が席を並べ、日程の議案を上程、可決してから議長役が議長席に着き、一般質問を始めた。
質問はごみの減量について、動物愛護の観点から学校での動物の飼育の廃止の要望、空き家の撤去、信号の時間調整の要望などを行った。
加茂文化会館のような広い会館をつくってほしいという要望に滝沢市長は、9万4000人くらいの都市で最近は図書館、体育文化会館、市立大学を建設したなかで「一気に作ろうっていうのは、お金の関係だったり、いろんなものがあり、作ることができたとしてもどうやって維持していくのか」と財政的な問題を示して、「今のところ作る予定はありません」ときっぱり否定した。
帯織地区で通学バスを使えるようにしてほしいという要望にも、それを認めると通学バスを運行する基準を変更する必要があり、その場合は実際に試算すると4つの中学校で30の地域にスクールバスを運行しなければならなくなり、「きょうこの時点でやるという回答はできない」が、「いろいろなことを考えていきたい。冬は安全に通学できるよう歩道確保しているので理解してほしい」と、子ども扱いせずに本物の議会さながらに率直に答えた。
最後に講評で滝沢市長は「きょうのことを思い出して自分の意見を人に伝えることを大事にしてほしい」、「きょうでもあしたでも三条市がもっとこうしたらいいんじゃないかということをわたしたち三条市に教えてもらえるとうれしい。本当にきょうは皆さんの大活躍、かっこよかった」と述べた。
キッザニアを運営するKCJ GROUP株式会社の宮本美佐副社長は、初めて「キッザニアマイスターフェスティバル in 三条」を訪れ、子ども議会を見学した。キッザニアには、キッザニアの運営をよくするための子ども議員があると言う。
宮本副社長は、滝沢市長が子どもたちにていねいに答えている姿を見て、子どもたちにとっては非常に印象に残る貴重な体験になると思った」、「本物の議場に入る機会はおとなにもあまりなく、子どもたちには掛け替えのない体験になっていると、とてもすてきな試みと思った」と感心していた。