新潟県燕市で昨年初めて開かれた県内で活躍するアーティストが豪華な照明や音響でプロと変わらないパフォーマンスで魅せた「アーティスティック・ライブ」。大きな反響や感動を呼び、ことしも9月11日(日)に燕市文化会館で開かれることになった。
午後3時開場で、4時の開演から3時間にわたってエンターテインメントを繰り広げる。米国バークリー音楽大学に学び音楽制作を手掛けるドラマーのhilanさん(34)と地元の和太鼓グループ「飛燕太鼓」のコラボレーションでスタート。hilanさん書き下ろしのオリジナル曲も披露し、プロジェクションマッピングの映像とドラムの音楽とビジュアルインスタレーションの融合も披露する。
女性ボーカルグループ「マンハッタンレイン」、「風船王FOOZY」のバルーンパフォーマンス、筆跡診断士の稀和(KiWa)さんの大筆のパフォーマンス、田村優子さんの篠笛演奏。次々とステージに登場するほか、12歳のアーティストYUUMOさんによるロビーでのライブペインティングもある。
ラストは燕市を拠点に活動する「CAMPARI(カンパリ)」。YAMAHAポプコン、つま恋の全国大会で2年連続出場で2年連続入賞の結成40年を超える大御所バンド。今回はホーンセクションとバイオリンを加えた新たなサウンドにもチャレンジし、インスト2曲を含むオリジナル8曲を演奏して幕を閉じる。
イベントの趣旨に賛同する人や協賛企業で構成する実行委員会「Artistic LIVEプロジェクトチーム」が主催する。仕掛け人はCAMPARIのボーカル、平野文子さん(67)=燕市=。夫でCAMPARIのリーダーでドラムの公啓さんとともに1988年に燕市に音楽スタジオ 「BAND CLUB HOUSE(バンドクラブハウス))を設立。その後、バンド主体のスタジオから本格派ミュージシャン育成トレーニングスタジオへ変わった。
その流れからマンハッタンレインをプロデュースした。マンハッタンレインはウェディングシンガーからスタートし、ゴスペルからポップス、R&B、ジャズまで歌と踊りの女性ボーカルグループとして日本全国で活躍。文子さんは自身がステージに立つだけでなく、こうした若手の育成にも努める。
14年前に脳動脈瘤が見つかったのを機にいっそう自身は表舞台から離れて裏方に回ることが増えたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響をまともに受けた。全国でイベントがまったくなくなり、マンハッタンレインの仕事もゼロに。給料を支払えなくなって解散に追い込まれた。
しだいにイベントが再開されるようになり、脳動脈瘤も悪化はしていない。もう一度ステージに立ちたいと、知り合いの経営者らに話すと応援を名乗り出てくれた。背中を押されて昨年、プロジェクトチームをつくり、「アーティスティック・ライブ」を開催。仕事がなくなっていた出演者らにもしっかりとギャランティーも支払い、企業からの協賛金や公的な補助金を受けて約400万円の予算で開き、300人の来場者を集めて盛況だった。
地元では見られない豪華でクオリティーの高いステージが好評で、来年も開いてほしいという声を受けて、ことしの2回目の開催を決めた。
「CAMPARI単独のコンサートで自分たちだけで終わってしまう。いろんな分野から県内のいろんなアーティストを紹介するエンターテインメントにしたいと思った」と平野さん。「メジャーなアーティストと同じような舞台に立ってほしいと思った。そうすれば、やる方も見る方も気持ちが違う」とライブに込めた思いを話す。
とはいえ複数のアーティストで完成度の高いステージ構成をつくりあげるのは容易ではない。とりあえずは今はこのライブを成功させることに頭がいっぱいで、「心身両面で大変。今回で終わるかもしれない」と話し、「あっという間の3時間になる。アーティストのすばらしいパフォーマンスを皆さんに見ていただきたい」と来場を待っている。
チケットは前売り3,000円、当日3,500円、中学生は1,000円、小学生以下は無料。チケットは事務局(bandclubhouse@yahoo.co.jp、0256-62-2348)へ。チケットの取り扱いは次の通り。
【チケット取り扱い】▲燕市中央公民館▲軽食喫茶ルーム217▲Casual Italian Style OGAWA▲イタリア料理 ゴッホ・ボン・クワン▲FLOWER POP(新潟市)▲どらねこ洞(加茂市)▲捧