新潟県燕市と長岡市にまたがって流れる大河津分水の通水100周年記念して燕市が27日、信濃川大河津資料館などを会場に開いた独自の記念イベント「大河津分水サンクスフェスタ〜百歳おたんじょう会〜」は、6200人が来場した。
午後2時半から信濃川大河津資料館前で行った「桜並木復活プロジェクト植樹式」には、一日信濃川河川事務所鳥に就任したプロ野球東京ヤクルトスワローズのマスコットキャラクター、つば九郎も参加。前庭に植えた3本のサクラの根元に鈴木力市長、今井誠信濃川河川事務所長など9人が金のシャベルで土をかけた。
大河津分水の実現に私財を投げ打って力を尽くした古川村(今の新潟市南区)出身の田沢実入(たざわ みのり)は、大河津分水完成の喜びを後世に伝えようとサクラの植樹にも取り組んだ。
かつては6千本ものサクラ並木だったが、今ではその半分の3千本に減ってしまった。通水100周年を契機に再び往時のサクラ並木の復活を目指そう、そのスタートにと植樹式を行った。
鈴木市長は、大河津分水が100年前に通水する前の200年間にわたり、3年に1度の信濃川の洪水に見舞われた状況を何とかしなければならないと、西の松下村塾、東の長善館と並び称された燕市にあった私塾、長善館の門下生が建設に向けて働きかけたことを話し、「新潟平野に住む人は大河津分水の役割をあらためてかみしめ、これからもいろんな意味でこの存在に心を寄せていただければと思う」と願った。
今井所長は「このサクラ、大河津分水を全国に広めていくシンボルとなるもだと思っているので、きょう植えたサクラが次の100年、この大河津分水路が全国に広め、この地域を守ってくれるシンボルとしてこの地域とともに育っていってくれることを願って植樹をしたい」とあいさつした。