新潟県燕三条地域で夏休みに小学生が親元を離れて4泊5日で100kmを踏破する「寺子屋つばさ100km徒歩の旅」。新型コロナウイルスの影響で2年連続中止されたが、ことしは3年ぶりに10、11日の1泊2日で25kmに短縮して行われている。
4年生以上の小学生を対象に当初は60人の参加申し込みがあり、55人の参加予定だったが、直前になって学級閉鎖などになった小学生もいて最終的に48人が参加。男子27人、女子21人、住所は三条市30人、燕市14人、加茂市と田上町が2人ずつの内訳で、3年前の93人の3分の2の規模となった。
午前8時から三条市大崎会館で開会式を行ったあと出発。この日は12.8kmを歩いて燕市民体育館で宿泊。翌11日は燕駅まで歩いてから弥彦線で弥彦駅まで鉄路を利用し、弥彦山(634m)を登山して午後2時過ぎに2日間合計25.4kmを歩いて弥彦総合体育館にゴールする日程だ。
主催は、燕三条青年会議所OBを中心に組織する実行委員会。中止した2年間は1日だけのオリエンテーションやレクリエーションにとどめていたが、事業を継続していくためにもことしこそ開催をと大幅に規模を縮小してこの日にこぎ着けた。
参加した子どもたちの事前オリエンテーションも、保護者対象の研修会も実施せず、ぶっつけ本番同様。運営する実行委員会の10人をはじめ、県内の大学生21人、中高生13人のスタッフは事前に弥彦山登山を行うなど準備をしてこの日を迎えた。
10日の三条市は晴れて正午までの最高気温は29.3度の厳しい残暑。恒例の三度笠を用意する時間がなく、代わりにキャップをかぶっているので、強い日差しが肌を刺す。事前練習なしの「チクサクコール」で気勢を上げた子どもたちは、保護者とエアでハイタッチして元気いっぱいにスタートした。
大学生スタッフのリードで歩きながらかけ声をかけたり、自己紹介したりし、笑顔で通過地点にある次のチェックポイントへ向かった。徒歩の旅の経験のある大学生スタッフが少なくなっており、実行委員会の嘉瀬一洋会長は「ことしは1泊2日でもリアルに歩いて炎天下のなか子どもたちを連れて行くのは、いい経験になる」と話した。
ほかのスタッフも、縮小しても準備は4泊5日と変わらなかったと言いながらも、3年ぶりの開催に笑顔があふれていた。