新潟県弥彦村で14日、豊穣の秋に感謝し、弥彦神社に献納する令和4年産米の弥彦のブランド米「伊彌彦米(いやひこまい)」の準備のため農業関係者による抜穂祭(ぬきほさい)が行われた。
弥彦村井田地内に菅沼秀一さん(45)がコシヒカリを栽培する約1万平方メートルの田んぼのうち約2000平方メートルで初めて挑戦した無農薬栽培の田んぼに祭壇を設けて行われた。
弥彦神社の神官が神事のなかで、小林豊彦村長と菅沼さん夫婦を皮切りに、地元生産者やJAなど約15人の参列者で抜穂の儀の稲刈りを行した。伊彌彦米のはっぴを着た参列者は黄金色に実った田んぼに入り、かまを使って右、中、左と3株を刈り取り、紅白の水引で束ねて祭壇に供えた。
小林村長は、刈り取った株を手に取ってずしりとした手応えに驚いた。「私も自分で6年間、米を作ったので持った瞬間にできがわかる。こんなに太い株は自分では作れなかった。すばらしい」と感心。和田さんは「非常に気を遣って育てたのでほっとしている」と話し、田んぼ1枚で8俵の収量を目指したが、9俵くらいになりそうだと喜んでいた。
抜穂祭は昨年に続いて行った。それ以前から行っている5月のお田植え祭で植えて育てた伊彌彦米をこの抜穂祭で収穫。さらに10月下旬の奉納式と弥彦神社に奉納する一連の神事となっている。
無農薬の伊彌彦米の一部は、これまでの伊彌彦米とは別に弥彦村のふるさと納税の返礼品にも加わる。