新潟県三条市で行われる伝統の三条祭りの大名行列の伝統を次代の子どもたちへ受け継いでもらおうと19日、子どもたちによる「子ども大名行列」が行われた。
三条の鎮守、八幡宮の春季例大祭、別名「三条祭り」では、毎年5月15日に10万石の格式を誇る大名行列が行われる。その大名行列を子どもたちで再現する子ども大名行列は「ものづくりのまち三条こども祭り実行委員会」(竹内誠会長)が主催。毎年、行っているが新型コロナウイルスの感染拡大で昨年まで2年続けて休み、3年ぶりに実現した。
参加したのは地元の小学生約30人。道祖神のてんぐ2人をはじめ、やっこ、はやし方、みこし担ぎの役を分担。子ども用のはっぴや道具で八幡宮でおはらいを行ってから出発し、三条鍛冶道場まで2時間かけて進んだ。この日の三条市は全国一の最高気温37.2度を記録する猛烈な暑さに見舞われ、子どもも関係者も汗だくだった。
はっぴも道具も子ども用で、ぱっと見は実物と見間違うような完成度。とはいえ、小学校2年生が担ぐ先箱に「先箱が歩いているみたい」、独特のかけ声で道具を受け渡すやっこに「かっこいいよ!」と季節外れの大名行列を見物する市民は目を細めていた。
実際に大名行列に加わっている関係者は、子どもたちに付き添って指導した。「1、2の3!」と合図を出し、道具の受け渡しに失敗して落としても「大丈夫、あとで直しておくから」と励まし続けていた。