国連が定める「国際平和デー」の21日、新潟県新潟市中央区の新潟県護国神社で世界平和を願って加茂市の書家、下田逅絆(こうはん)さん(42)と下田彩水(さいすい)さん(39)の兄妹と地元の新潟第一高校が奉納揮毫(きごう)を行い、平和の願いを込めて筆を走らせた。
聖徳太子の「和を以て貴しとなす」の精神に立って平和活動に取り組む任意団体「和プロジェクトTAISHI」(本部:愛知県名古屋市)が毎年、「国際平和デー」に全国各地のの護国神社などで奉納揮毫を行っている。
ことしは全国48社の護国神社と靖国神社、広島と長崎の平和公園の51会場で世界平和を願って行われ、全国高校書道部44校も参加。靖国神社では14カ国の特命全権大使が寄せ書きも行った。
新潟県護国神社では、下田彩水さんによる奉納揮毫を始めてことしで6年目。3年目から兄の下田逅絆さん、さらに新潟第一高校書道部も参加している。
21日は境内で奏楽が響く厳かな雰囲気のなか、125×135センチの紙にそれぞれ下田彩水さんが「希」、下田逅絆さんが「望」と書き、2人で「希望」。主宰する下田書道教室の子どもたちが平和を願って書いた211点の書と合わせて4.4×6.7メートルの台紙に張った。
新潟第一高校書道部は、部員10人がはかまでたすきを掛けて上半分を青、下半分が黄のウクライナカラーの2×10メートルもある大きな紙に「愛」、「助け合う心の輪」、「平和」、「輝く笑顔の輪」、「祈り」、「煌めく幸せの輪」とピンク、赤、緑の墨も使って手分けして順番に書いた。
下田逅絆さんは「今、 見えている風景はすごく平和だが、 戦火にまみれて生活がままならない人もいると思うので希望持って生きていきたいなという思いで書いた」と書に込めた思いを話した。
下田彩水さんは奉納揮毫を始めて6年の間にロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルスの感染拡大、自然災害、安倍元首相の銃撃事件などがり、「おとなだけでなく子どもたちも平和について深く考える機会が多かった」と平和に思いもはせることの大切さを語った。