新潟県三条市で330年にわたって受け継がれてきた三条凧(いか)合戦の伝統を次代の子どもたちに伝えていこうと三条凧協会(須藤謙一会長)は25日開いた秋の凧合戦で初めての三条こども凧合戦を行い、20人ほどの子どもたちが参加して青空に舞い上がる凧の糸を引く快感を味わった。
毎年6月の第1土、日曜に開いている三条凧合戦に対して秋の凧合戦は若手や新人の育成を主眼とした合戦で、いわば新人戦。20の凧組が参加して対戦した。
一昨年、昨年は新型コロナウイルス感染の影響で中止したが、秋は天気に恵まれず、ことしは6年ぶりくらいの久しぶりの開催になった。
こども凧合戦に用意した凧は、一般の凧合戦に使われるものより一回り小さい縦約1.65メートルの20枚ドと呼ばれる大きさの三条六角巻凧。それぞれ巌流島の戦いの宮本武蔵、佐々木小次郎の武者絵を描いた2枚を用意して対戦した。
参加した小学生以下の子どもたちは、凧揚げが初めての子もいれば、学校の凧揚げで経験した子も。ちょうどいい強さの風も吹き、ベテラン揚げ師の手ほどきで、秋晴れの青空高く舞い上がった。
須藤会長は「後継者育成で新たな一歩を進めたのは良かった。こども凧合戦を恒例にしてひとりでもふたりでも、高校生も含めてかかわる人が増えてくれればいい」と子どもたちが生き生きと凧揚げする姿を頼もしく見ていた。