新潟県内有数の果樹産地、三条市大島地区にある三条市立大島小学校(桑原敦子校長・児童47人)の3、4年生18人が栽培にもかかわって育てたナシを27日、三条市の中央市場で開かれた朝市「二・七の市」で売り子となって販売した。
収穫したナシ「あきづき」200個ほどのうち100個を2個1袋にして1袋500円で販売した。1個400グラムちょっとに太ったナシ。袋には児童が作ったちらしも入れた。頭には大島小のナシのキャラクター「なっしっしー」を描いたイラストを着け、「いらっしゃいませー!」「大島小のおいしいナシを買いませんか!」とプロの露店商もたじたじの大きな声で客を呼び込んだ。
朝市に訪れた買い物客の多くが大島小のナシを購入。目を細めて児童とやりとりし、「きょうは運がいいね!」と喜んでいた。30分足らずで完売し、児童が整列して「これからも三条市を盛り上げていきたいと思います。きょうはありがとうございました」とあいさつすると、「また来てね!」と声をかける人もいた。
児童が栽培したナシは、学校のとなりのナシ畑でナシを栽培する佐藤真弥さん(35)が1本のナシの木を学校に貸した。総合学習として児童は2月からせん定、花粉付け、袋掛けなどを行って栽培した。
初めての取り組みで、2年前に大島小から佐藤さんに児童にナシの話をしてほしいと頼まれたのが発端だった。ふるさとを大事に思う気持ちを育て、地域の魅力を発信しようと佐藤さんに相談して実現した。
佐藤さんは「こどもたちに楽しんでもらおうというつもりで始めたが、それ以上に子どもたちが本気で真剣に取り組んでくれた。子どもたちがたくさんの人に協力してもらったと話していることを聞いてうれしかった」と喜び、「何十年もつながるように続けていければ」と話していた。
このあと午後から児童は滝沢亮市長を表敬訪問した。