卸商社を中心に新潟県燕三条地域の目利きが集めた商品を提案する見本市「燕三条トレードショウ」が29、30日の2日間、燕三条地場産業振興センターで開かれている。昨年に続いてオンラインを含むハイブリッド形式での開催。初日29日の会場はコロナ禍前を思わせる大勢の来場者でにぎわっている。
昨年より5社多い87社が出展。水平に展示しても目立たないからと金属洋食器を立てて展示したり、実演も行ったりと、各社が趣向を凝らしたブースを展開している。数ある取り扱い商品なかでもアウトドア関連の商品を展示する企業が目立っているのも特徴だ。
各社のブースのほかに、ことしは「ずぼらキッチン」、「お外ごはん」、「クラウドファンディング」の3つをテーマにした特集コーナーを設けた。
「ずぼらキッチン」は料理の工程を減らして時短できるアイデアキッチン用品50点以上、「お外ごはん」はアウトドアシーンで活躍するグッズ100点近くを展示。「クラウドファンディング」は燕三条地域の企業が挑戦しているものづくり系のクラウドファンディングに成功した15商品を紹介している。
燕三条の金属製ビアタンブラーでビールがおいしくなるのを自分の舌で確かめられる試飲コーナーも設置。会場で燕三条地域の企業が取り扱う商品をワンストップで買い付けし、必要なら出展企業のショールームや製造現場へ足を運ぶこともできる地元開催の魅力をアピールしている。
オンラインはリアル開催に先がけてにホームページを公開している。出展企業の商品を最大6点まで掲載し、直接、企業へ問い合わせできる。
ことしで6回目の開催。2年前は感染拡大で中止し、昨年は来場者をバイヤーだけにしぼり、受け付けで抗体検査を行うなど、感染対策を徹底して開催した。
ことしは出展企業の社員はもちろん誰でも入場できるようにし、感染拡大前と変わらない形。昨年の来場者は803人にとどまったが、ことしはコロナ禍前を上回る2日間で2000人の来場、1億円の成約を目指している。
初日は開会式でテープカットを行って開幕した。実行委員長の燕商工会議所・田野隆夫会頭は、燕三条トレードショウは、4年目に海外バイヤーから2000万円近い発注があって軌道に乗ったと話した。
最低10億円の経済効果がないとやる価値がないと当初から話していたが、感染拡大で腰折れした。ことしはJETRO新潟の協力でアメリカから2社、マレーシアから3社を誘客でき、「皆さまから期待していただける展示会なっている」、「大きな経済効果を生んでいるので、有意義に利用していただければやる価値は十分にあると思っている」と魅力をアピールした。
また、経産省関東経済産業局の北原明地域経済部次長は「活発な商談が数多く行われ、新たなビジネス機会の創出、並びに燕三条ブランドのいっそうの向上が図られることを心から期待している」と述べた。