新潟県三条市は29日、新型コロナワクチン接種で誤って凍結させてしまう不適切な管理状態におかれたワクチンを176人に接種したことが確認されたと発表した。
市内の高齢者施設2か所で、施設接種で使うワクチンを冷蔵保存するべきところ、施設看護師が誤って冷凍保存してしまい、施設の入所者と職員への接種にそのワクチンを解凍して使った。
接種者数は2施設合計で3回目接種が105人、4回目接種が71人の176人。これまでこのワクチンを接種した人に健康被害はないが、継続して接種者の健康状態の確認を行っていく。
接種したワクチンはいずれもモデルナ社製で、3回目接種を2月と3月、4回目接種を8月と9月に接種した。
ワクチンは凍結した状態で国から市へ届き、市で解凍してからその日に接種する分だけ各施設に届けている。各施設では接種するまで冷蔵庫で保管するが、両方の施設でワクチン接種を担当しているこの看護師は、届いた解凍済みのワクチンを冷凍庫に保管して凍らせ、解凍してから接種に使った。
看護師は凍結した状態でワクチンが届くものと勘違いしており、28日に看護師から市にワクチンが凍結されていなかったという問い合わせがあり、管理を誤っていたことがわかった。
市では、これらのワクチンを接種した人は、それぞれワクチン接種が終わったものとしてカウントする。ワクチン接種を前に研修などを行っているが、再発防止のため、市内医療機関と高齢者施設に対し、ワクチンの管理方法についてあらためて周知し、注意喚起をするという。