10月1日(土)午前11時から新潟県三条市下田地区の「中浦ヒメサユリ森林公園」野外ステージで開かれる地元ミュージシャンによる野外コンサート「スヂロック」。そのポスターのデザインに新潟市西蒲区巻地区の画家、藤井克之さん(68)が下田地区を描いた墨彩画が使われた。
ポスターの原画制作の依頼を受けてから制作した、会場の「ヒメサユリ森林公園」と「五輪峠」、10年ほど前に描いた「八木ヶ鼻」の3種類をそれぞれデザインしたポスターをぜいたくに3種類、制作した。
野外コンサートを開くのは「一本道スヂオ」の名前で弾き語りを続ける下田地区に住む消防士、熊倉善之さん(44)。数年前からあたためていた企画で、3年前に野外ステージが建設されてから一気に現実味を帯びたが、新型コロナウイルスの感染拡大で先延ばしせざるを得なかった。
今回は熊倉さんが音楽仲間に声をかけて出演者を集め、プログラムでは10の団体・個人が出演し、それぞれ30分余りの持ち時間で日没が迫る午後5時半ごろ終演となる。
ポスターは藤井さんが県立三条高校の美術教諭を務めていたころの教え子であり、熊倉さんとも付き合いのある女性が藤井さんに原画制作を依頼して実現した。藤井さんは元高校の美術教諭で県内各地を描いたポストカードで知る人も多く、絵画教室の指導も続けている。
藤井さんは「書いてくれるよねと言われて」と半ば断る間もなく引き受けたと笑う。下田へのスケッチもその女性が連れて行ってくれた。
「下田はあまりいい場所に気付いていなくて、今回、連れて行ってもらって、いいところがいっぱいあった。棚田もあるし、嵐渓荘もある」と下田の魅力を再発見することにもなった。
熊倉さんは「本当はポスターを描いてもらえるような人じゃないわけなんで、このポスターはずっとスヂロックに使って行こうと思う」と感謝する。
熊倉さんの家は五輪峠の坂の下にある。「先生の絵が自分が見ているまんまの五輪峠。しかも子どものころ見てた風景そのもの。コンサートをやる前にそこに感動している。頑張らなきゃって思った」。
藤井さんに感謝の気持ちを込めて熊倉さんは9月23日、藤井さんの自宅でホームコンサートを開き、代表曲のひとつ『五輪峠』を歌った。藤井さんはコンサート当日、会場へ足を運ぶことにしている。コンサートは入場無料でキッチンカーもやってくる。タイムスケジュールは次の通り。