燕・弥彦総合事務組合を組織してごみ処理業務などを運営する燕市と弥彦村は10月1日、小売店が家庭用ごみ指定袋をレジ袋として1枚単位で販売する取り組みをスタート。指定袋をレジ袋に使ったあとに通常のごみ袋として利用でき、プラスチックごみ削減を図る。県内の自治体としては初めての取り組み。
燕市内のチャレンジャー燕三条店、良食生活館分水パコ店、イオン県央店、ウオエイ小中川店の4店舗と三条市内のホームセンタームサシ三条店の5店の協力店で実施する。
レジ袋に代えて指定袋4種類のうち小さい方から2種類、「極小」(容量10L)を1枚10円、「小」(20L)を20円で購入できる。それぞれ10枚入り100円、200円で販売しているが、それをマイバッグを忘れたときなどに1枚単位で購入できる。
大原議長の一般質問がきっかけで前向きに検討
燕市の調べでは、自治体として家庭用ごみ袋のレジ袋化を行っているのは千葉県千葉市、兵庫県淡路市など全国でも数えるほどしかない。
10月31日の任期満了で引退を表明している燕市議会の大原伊一議長が2年前の定例会の一般質問で、家庭用ごみ袋のレジ袋化を提案したのをきっかけに検討を進めてきた。指定袋を1枚ずつ販売するには1枚ごとにバーコードを印刷する必要があり、新型コロナウイルス感染症の影響もあって印刷の手配が進まず、大原議長の任期終了目前で実現する。
ホームセンタームサシ三条店はすでに独自で実施
独自に家庭用ごみ指定袋のレジ袋化を進める小売店もあり、今回の協力店5店のうち、ホームセンタームサシ三条店は、すでに自前で指定袋1枚ごとにバーコードのシールを張ってレジ袋化する取り組みを独自で行っている。
来年1月から本格スタートで、協力店はまだ5店と少ないがとりあえず試行としてスタートし、同時に協力店の募集を進めていく。30日の定例記者会見で鈴木力市長は「協力店がより広く集まって市民の皆さんに取り組みをしてますよということを年明けにお知らせできれば」と取り組みの広がりに期待した。
また、市では6月に表明した燕市ゼロカーボンシティ宣言に基づき、脱炭素社会の実現や環境負荷の軽減に向けて取り組みを進めるとしている。