国内の桐たんすの7割を生産する新潟県加茂市の桐たんすメーカーが加入する加茂桐箪笥(きりたんす)協同組合(桑原隆理事長)は14日から16日までの3日間、加茂市産業センターで第21回加茂桐箪笥まつりを開き、「伝統のスタンス加茂桐箪笥〜見て、聞いて、感じる3日間」をキャッチフレーズに組合員17社のうち5社が参加して国内最大規模のざっと100本の桐たんすをずらりと展示して産地直販している。
毎年恒例のイベントで伝統的な桐たんすをはじめ、もだんなデザインのチェストや桐で作った小物などを販売している。最高額の桐たんすは、加茂桐箪笥伝統工芸士会会長の三本和好さん(66)が製造した総無垢(むく)和箪笥「雫」で税込み330万円のぜいたくな逸品だ。
呼び物は昨年行って好評だった桐かんなかけ大会。桐の板を3分間、かんなをかけてかんなくずの重さを競う。優勝者には50万円相当の桐たんすがプレゼントされ、2位、3位にも豪華賞品を用意し、ことしはそれと別に女性の優勝者にも賞品を用意している。
初日14日は三本さんとともにオープニングセレモニーに出席した藤田明美市長と地域おこし協力隊の松本悠雅さん(23)が挑戦。3分間、かんなをかけ続けるのは松本さんでもへとへとだった。結果は藤田市長の57グラムに松本さんが72グラム、三本さんはさすがの137グラムだった。
会場では古い桐たんすの修理や再生の相談も受けている。さらに15日、16日は「桐たんす屋巡り」を開催。桐たんすの魅力を製造の現場から感じてもらおうと、各工房を会場に工房見学や職人との交流が楽しめる。参加工房のマップも配布し、スタンプラリー形式で工房をめぐり、すべて見学した人には景品もプレゼントする。
毎年400人から500人ほどが来場している。3日間で1,000万円の売り上げを目標にしている。毎日午前10時から午後5時まで開いている。入場無料。