20世紀が始まった翌年1902年(明治35)の開校認可から昨年で120年の節目を迎えた新潟県立三条高校(内田卓利校長)で22日、創立120周年記念式典が行われ、県央地域一の進学校として各界で活躍する3万人を超える卒業生を輩出した「三高」のますますの発展を願った。
生徒と教職員、120周年記念事業実行委員会、来賓としていずれも三条高校卒業生の三条市、燕市、加茂市の県央地域3市の市長も出席した。
内田校長は式辞で三条高校の歩みを振り返って「水を飲む者は、その源に思いを致せ」の意味の言葉「飲水思源(いんすいしげん)」を引き、「先人たちが本校創立のときに抱いた思いを考え、わが三条高校は世の柱となる若者を育てる使命があると心に留めなければならない」とし、三条高校へのさまざまな支援に対し、「皆さんの高校生活を応援してくれていることを忘れず、思いっきり幹を太くし、枝葉を広げていきましょう」と生徒にエールを贈った。
記念事業実行委員会の野水重明実行委員長(ツインバード社長)は、将来の予測が困難な時代では「三条高校で学ぶ自主自立の精神、情操豊かな人間性と創造力の育成の通り、自ら考え、創造できる人材が時代を切り開いていく」とし、「これからも同窓会は在校生やこれから入学する生徒を応援していく」と約束した。
飯塚一樹PTA会長(イイヅカカズキ建築設計事務所代表)は、「後援会としても生徒たちが力をさらに発揮できるように学校、同窓会と連携して三条高校を盛り上げていきたい」。
来賓で旧下田村出身の滝沢亮市長は、三条高校進学は大きな冒険で、高校に慣れると早く高校を卒業して東京に行きたいと思うようになり、受験勉強に打ち込んだのは大学に行くためではなく、東京へ行くためだったと打ち明けた。
しかし自分でも理由は良くわからないが、2018年にUターンした。三条高校での3年間、学び、過ごしたことは「それだけで貴重なこと。それだけで素晴らしいこと。在校生の皆さんも将来、振り返ってみるといつかわかる日が必ず訪れる。不安に感じることもあると思うが、きょうを、あしたを、一日一日を、心の声に従い、自分のために生きてください」と求めた。
2年生堀百華生徒会長は、三条高校は昨年、文科省WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業のカリキュラム構築支援事業の拠点校に指定され、SDGs達成に向けたグループ討議や発表を通じ、地元と世界をつなぐ力を力となれるよう活発な活動を行っていることを紹介した。
「三条高校が広い世界に、将来の夢に向けて、そして120年にわたって綿々と受け継がれてきた伝統を未来へつなげられるよう、これからも三条高校で学びを深めていこうと思う」と述べた。
野水実行委員長から内田校長に記念事業で贈呈する教育環境整備の目録を手渡した。目録の内容はWWL事業支援「燦高・未来への懸け橋基金」開設、視聴覚機材一式、吹奏楽部楽器購入、特別教室冷房設備設置補助。「燦高・未来への懸け橋基金」は2000万円を目標に募っており、これまでに約1800万円が寄せられている。
記念式典後、記念講演会が行われた。1969年加茂市生まれで第40回卒業生で、博報堂DYホールディングスグループでネット事業を手がけるユナイテッド株式会社の早川与規社長兼執行役員が「『脱皮型進化変態』のすすめ〜自らの人生を能動的に創り出す〜」をテーマに講演した。午後からは会場を移して記念祝賀会も開かれた。